シネマグラフという編集の技法をご存じですか?
もしかするとこの名前には聞き馴染みがないかもしれませんが、内容を聞けばきっと分かっていただけるはず。
とても不思議な印象を与えるシネマグラフとはどのようなものなのか、またどのようにして作られるのか解説していきます。
目次
シネマグラフとはどのようなもの?
「シネマグラフ」という単語を聞いてピンとくる人は少ないと思います。
そもそもシネマグラフとはどのようなものなのか、シネマグラフは画像・動画どちらに分類されるのか解説していきます。
画像の一部分にのみ動きを取り入れたもの
シネマグラフとは、「一見静止画のように見えるもののよく見ると画像の一部のみに動きがつけられたもの」です。
ワインを注いでいる画像の中で液面だけが動くようにしたり、電車内の画像で車窓のみに動きをつけたりすることができます。
シネマグラフは画像?動画?
シネマグラフは動きがあるため動画だと思われがちですが、ファイル形式として見るとGIFの一種です。そのため画像と捉えて問題ありません。
この性質を使うことで、通常の動画を掲載できないような場所にも動きのある画像を掲載できます。
ファイルのサイズも通常の動画よりも小さく抑えることができるため、Webサイトなどに掲載されることが多いです。
作成方法について
続いて、シネマグラフを作る方法をご紹介します。基本的に用意するのはカメラと三脚、あとは動画の編集ができるパソコンです。
特別な機材は必要ありませんが、編集技術はそれなりに必要なので最初は難しいかもしれません。
まずは手順を大まかに見て、制作の流れをイメージしてみましょう。
背景を選んで三脚で撮影する
まずは動画の撮影です。
基本的にどんな動画でも問題ないのですが、撮影時の画角や被写体選びによって後々の編集のしやすさや画像の完成度が大きく変わります。
まずは動かしたい部分を明確に決め、対象の箇所を編集で切り出しやすいような背景を選定しましょう。
またその際、動かしたい部分以外のものは静止していても違和感がないかどうか確認すると良いです。
あとはカメラを三脚に固定して、動画を撮影するだけです。
動画部分をループするように切り抜く
動画の撮影が終わったら、続いて編集段階に入ります。
シネマグラフは、動かしたい部分だけを動画の中から切り取り、画像の上に載せるという基本構造で成り立っています。
そのため、まずは動かしたい部分がループしてもうまくつながるように動画をカットしなければなりません。
車窓なら電柱が横切るタイミングなど、区切りのあるものならワンセットで動画をカットするときれいに仕上がります。
切り抜いた動画を合成する
ループしても違和感のないように動画を切り抜くことができたら、次は動画と画像の合成をします。
具体的な手順は編集ソフトによっても異なるため、ここでは基本的な流れをご紹介します。
ループした動画はそのままでは画像と合成することができないため、動かしたい部分のみを切り抜く必要があります。
うまく動いている部分のみを切り取ることができたら、次は画像から動かしたい部分を切り抜きます。
画像の中で動かしたい部分だけを、静止画から動画に交換するようなイメージです。
リサイズして保存
後は色調や彩度を調整して動画部分と静止画部分をなじませ、保存します。
元は動画なので、ファイルサイズが大きくなってしまいがちなことに気をつけてください。
サイズと画質のバランスが調整できたら、あとはGIF画像として保存するだけです。
正常に保存できたら、シネマグラフの完成です!
シネマグラフの特徴
さて、このような手順で制作するシネマグラフですが、わざわざシネマグラフとして保存するメリットはどのような部分にあるのでしょうか。
画像の形式としては静止画が一般的ですし、動きをつけたい場合には動画を使えばいいともいえます。
ただ、それでもシネマグラフが活用されるのは、シネマグラフならではの特徴があるためです。
動いている部分に注目させられる
シネマグラフを初めて見たときには、自然と動きのある部分に目がいくと思われます。つまり、注目させたいものに動きをつけ、シネマグラフとして見せることができれば自然と視線の誘導ができるのです。
そうした背景から、シネマグラフは広告として使われるケースが多くなっています。
不思議な印象を与えられる
シネマグラフは動いている部分に目を向けさせることができるという内容をご紹介しました。一通り動きのある部分を眺めたら次は全体を見ようとするのが自然な流れなのではないでしょうか。
シネマグラフを少し引いた状態から見ると、今度は動いている部分と動いていない部分の対比で不思議な感覚を味わうことができます。
まるで魔法のよう、という感想は通常の動画からは引き出すことはできないでしょう。
画像として活用できる
ファイルとしてメリットの一つに「画像として扱える」というものがあります。
GIF形式は画像ファイルの一種のため、通常の画像のようにWebサイトやSNSへの掲載ができます。
たまに動きのある画像をアイコンにしている人がいますが、これはこうしたGIF画像の特徴を生かしたものだったのです。
シネマグラフを活用するなら、是非その性質を生かしてみるとよいでしょう。
シネマグラフを取り入れて有効活用してみよう
見る人の目を引きつけ、不思議な感覚を味合わせるシネマグラフはエンターテインメント性が強いものです。
しかし、その性質を使って集客に使うことももちろん可能です。
アイデア次第で活用の幅が広がるシネマグラフの存在をぜひ頭にいれておいてください。
『動画の窓口』ではこうした動画の活用に関するご相談を受け付けているので、お気軽にご相談ください!