動画コラム

ただの固定撮影じゃないの?フィックス撮影を行う目的とは

フィックスという撮影技法をご存じですか?もしかすると映像の専門知識を持たない方でも聞いたことがある単語かもしれません。

しかし、実際に「どのような撮影方法?」と聞かれると回答に困るのではないでしょうか。

この記事ではフィックス撮影とは何か、またどのような目的で使われるのか解説します。

フィックスとはどのような撮影技法?

撮影用カメラのイメージ

それでは早速、フィックスとはどのようなものなのかご紹介します。

ジャンルを問わずさまざまな映像で使われる技法のため、必ずと言っていいほど見覚えのある技術だと思います。

基本の固定撮影

フィックスを一言で表すと、固定撮影のことを指します。

固定撮影とは、被写体の動きにかかわらずカメラの向いている方向や画角を固定する撮影方法のことです。

三脚や台座を使ってカメラを固定することで、被写体を客観的な視点から撮影することができます。

カメラを少し動かす場合も

基本的にはカメラの位置を固定して行うフィックスですが、時にはあえてカメラを手で持ち、ブレを演出することもあります。

こうすることで、人間の視点で見ているものをそのまま切り取ったかのような自然な映像を作ることができるのです。

フィックスは4つのパターンに分けられる

4を示す手元

フィックスは固定撮影が基本となりますが、どのように視点を固定するかによって4つのパターンに分けることができます。

同じ被写体を撮影していても、撮影のしかたで印象は大きく変わります。

フルショット

フルショットは被写体のすべてを映します。人間であれば頭からつま先まで、全身を画角に収めることとなるでしょう。

必然的に被写体と距離をとることになるので、周囲の様子が映るのも特徴です。被写体を取り巻く状況を描写したいときにはフルショットを使うと良いでしょう。

ウエストショット

人間の腰から上を撮影するのがウエストショットです。

フルショットよりは被写体に近い視点となりますが、この後ご紹介するバストショットやアップショットと比較すると少し引いた印象の映像となります。

大きなジェスチャーを捉えたり、その人が着ている服に注目させたい時に使います。

バストショット

胸から上を撮影するのがバストショットです。

表情に加えて細かい仕草もしっかり映るので、メッセージを伝える動画に向いています。

こうした背景から、オンライン授業やセミナーなどではこのショットが使われることが多いです。

アップショット

最後にご紹介するのは、4つのフィックスの中で最も寄ったショット、アップショットです。

アップというだけあって、主に首から上だけの撮影を指します。

被写体の表情の機微を最大限伝えたり、メッセージを強調して伝えたりしたい時に使われます。

ただ、視聴者に圧を与えてしまう可能性もあるため、使う場面は慎重に選びましょう。

フィックスはどんな場面で活用できる?

指さしをする男性

ここまでフィックスの概要や種類について説明してきましたが、これらの撮影テクニックはどのような場面で活用ができるのでしょうか。

ここでは主なフィックス活用シーンを3つご紹介しますが、これに縛られる必要はありません。

あくまで参考にしつつご自身のアイデアで効果的に演出してみてください!

講演会やセミナーの記録

「バストショット」の解説の際にも少し触れましたが、講演会やセミナーを記録する際にはフィックスが使われることが多いです。

こうしたイベントを記録することの目的はあくまで内容の記録なので、技巧をこらしたカメラワークよりも安定した画角の方が好まれます。

また、視点を固定することで話し手の表情やジェスチャーに注目させる意図もあります。

インタビュー動画

フィックス撮影はインタビュー動画で使われる技法の手番です。インタビューも講演会やセミナー同様、話し手の内容に気を引く必要があります。

そのため、派手なカメラワークではなく、被写体をシンプルに引き立たせるような撮影を行うのです。

商品紹介動画

一口に商品といっても様々なものがあり、それぞれの商品の魅せ方は異なります。

そのため一概にフィックスを使えば良いとは言えないのですが、商品の仕様や動きをしっかり見せたい時にはフィックス撮影が効果的です。

撮影や編集のポイント

カメラと編集の手元

それでは最後に、フィックスを使って動画を制作する際のポイントをご紹介します。

実際に動画を作ることを予定している場合にはぜひ参考にしてみてください!

シーンごとに最適な構図で撮影する

まずは撮影のポイントです。映像はさまざまなシーンの組み合わせですが、場面の雰囲気や伝えたいことに合わせて最適な構図で撮影を行う必要があります。

先ほどご紹介した4つのショットに加え、被写体を画面のどの部分に配置すると効果的に見せることができるのか考えながら撮影してみましょう。

複数のパターンのフィックスを撮っておく

他のカメラワークと比較するとフィックスは動きがないため地味に見えてしまいます。

映像に安定感を持たせつつメリハリをつけるために、可能であれば複数パターンのショットを撮影しておきましょう。

撮影の手間はかかりますが、ここで多く素材を集めることができれば編集がかなり楽になります。

複数の構図のショットを組み合わせて演出する

続いては編集段階の話です。たくさんのショットを集めることができたら、さまざまな構図やショットを組み合わせつつ飽きのこないような編集を目指してみましょう。

基本的にバストショットで進行している動画にフルショットやアップショットの映像を混ぜることで、そのシーンを印象づけることができます。

構図についても同様です。被写体を置く場所によって雰囲気作りができるので最適なものを選んでみてください。

フィックスを極めて効果的な映像制作を

フィックスは映像制作において基本の基本といえるものです。だからこそ、フィックスの活用方法をマスターできればたくさんの動画への応用が可能です。ジャンルを問わず動画制作をするなら覚えておきましょう。

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さいごに

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