ライブコマースが中国や韓国で華々しい成功を収めてから久しいですが、実は日本でもライブコマースの成功事例はたくさんあります。
この記事では日本でのライブコマースの成功事例の中から特に10の事例をご紹介します。今後どのような手法をとれば成功できるのか、是非ヒントを得てみてください。
また、ライブコマースについては、以下の関連記事もぜひご参照ください。
この記事の監修者
「動画の窓口®️」動画コンシェルジュ
池上 和
不動産営業マンから動画クリエイターに転身。現在は動画コンシェルジュ。 『動画の窓口®︎』プロデューサー。企業動画を年間約1,000本プロデュース&制作している。動画の窓口株式会社社長。合同会社イエロー代表。動画フリーランスコミュニティ「若羽-wakabane-」創業者。
ライブコマースとは?
そもそもライブコマースとはどのようなものでしょうか。
なんとなくテレビショッピングのようなイメージがあるかもしれませんが、それは半分正解で半分間違いです。この機会に内容を理解していきましょう。
双方向型の通信販売
ライブコマースとは、主にインターネットを介して行われる「双方向型」の通信販売のことです。
ライブ配信を視聴しながら、商品が欲しくなればそのまま購入ができるという仕組みはテレビショッピングと同じですが、ライブコマースには視聴者側も参加することができます。
例えば配信中にコメントを残すことで、質問に答えてもらうことができます。
実店舗で商品を購入するときのように購入前に疑問をなくしておけるため、実際の買い物とネット通販のいいとこ取りができるのです。
中国で大人気の販売手法が日本にも
中国ではこのライブコマースが人気を博し、市場がかなり盛り上がっています。
韓国でもライブコマースは大成功を収めているのですが、その波がついに日本にも訪れました。韓国は元々テレビショッピング大国であり、そうした意味では日本とかなり状況が似ています。そのため、日本での市場拡大が期待されています。
ライブコマースの事例10選
日本でもライブコマースの成功例が続々と出ていますが、今回はその中から10の事例をご紹介します。
様々な業界の事例ではありますが、共通するのは周囲の状況をしっかりと把握し、それに合った戦略を展開したことです。ぜひ参考にしてみてください。
三越伊勢丹(百貨店)
ライブコマースの成功例として欠かせないのはこの三越伊勢丹の事例です。
贈り物として購入される食品を中心に、ライブ配信で試食とレポートをするという配信となっています。
贈り物を選ぶ際には相手への印象も大切になるため、事前に感想を擬似的に聞けるのはとても良いと好意的な声が多数上がっているそうです。
ユニクロ(アパレル)
続いてご紹介するのがユニクロのライブコマース事例です。
「UNIQLO LIVE STATION」という名前で行われるライブ配信では、スタイリストやモデルが紹介したアイテムをその場で購入できるようになっています。
配信の頻度こそ多くはないものの、非常に人気の高いコンテンツとなりました。
ベイクルーズ(アパレル)
ユニクロの事例に続き、アパレル業界での事例をもう一つご紹介します。
ファッションブランドの「JOURNAL STANDARD」等で知られるベイクルーズは、オンラインで服を購入する際の不安な点を解消するような配信を行っています。
現物を見ずに購入する際にネックとなるのはサイズ感ですが、このライブ配信ではモデルの身長を表示するなど、服選びの手助けとなるような工夫がされています。
ミツカン(食品)
調味料の大手メーカーとして知られるミツカンですが、実は中国進出の際に非常に苦労した過去があります。
そこで導入されたのが「淘宝ライブコマース」という配信サービスです。
中国でライブコマースが非常に人気であることもあり、1時間の配信で2,500個もの商品を売ることができたといいます。
ゴディバ(チョコレート販売)
高級チョコレートの店のゴディバは、チョコ選びを手伝ってくれる「ゴディバ リモートショッピング」というサービスを展開しています。
実店舗で受けられるようなアドバイスをオンラインで受けられ、なおかつ購入までその場でできるため、実店舗のサービスと遜色ないサービスレベルが確保できているといえます。
資生堂(化粧品)
実は日本で資生堂がライブコマースを開始する以前から、中国をはじめとする各国では資生堂のライブコマースが行われてきました。
そこで培ったノウハウを生かして開催されるライブ配信では、メイクの専門家が効果的なメイクの仕方を教えてくれます。
本格的なアドバイスを受けることができるため、女性を中心にかなりの人気を誇っているサービスです。
スワロフスキー(ジュエリー)
他のライブコマースが1対多数で行われるのに対し、「SWAROVSKI ONLINE APPOINTMENT」は1対1で接客を行うサービスとなっています。
利用者は事前に予約をすることでその時間に購入の相談ができます。
じっくりと要望を聞いてもらいながらショッピングしたいという人にも持ってこいのサービスだといえるでしょう。
スタートラベル(旅行)
スタートラベルは「旅行をテイクアウト」する企画として、オンラインで観光スポットを巡る配信をしました。
リアルタイムで会話ができたり、現地の商品の購入ができたりと、実際に旅行をしているような気分になれる配信。となっています。
旅行に行くことができない人から多くの支持を集めています。
ジャパネットたかた(小売)
特徴的な語り口調のテレビショッピングで広く知られる「ジャパネットたかた」ですが、実はライブコマース市場にも進出しています。
その名も「みんなで買いまショッピング」というサービスで、公式アプリから配信を視聴することができます。
生産者が出演してコメントの質問に答えるなど、従来のテレビショッピングとはまた違った形で商品のPRをしています。
エスティローダー(化粧品)
化粧品会社のエスティローダーは、早くからInstagramのライブ機能である「インスタライブ」を用いて配信をしていました。
しかし商品を購入する際には別のページに遷移せざるをえないため、不便だという声も上がっていたそうです。
そこで担当者は「Bambuser」というライブ配信のためのプラットフォームを使い、配信の視聴と商品の購入を同じページで行えるようにしました。
その結果、売り上げはかなり増えたとのことです。
ライブコマースは3つのタイプに分かれる
ここまでライブコマースの事例をご紹介してきましたが、実はライブコマースと一口に言っても様々な種類のものがあります。
ここでは配信の仕方の観点から、簡単に3つの種類をご紹介します。
SNS型
まずはSNSを使って行うタイプのご紹介です。
「インスタライブ」や「YouTubeライブ」など、SNSの機能として用意されている配信機能を使うものです。
費用を抑えられるというメリットはありますが、購入画面への誘導がしづらい場合があります。
ECモール型
楽天やYahoo!ショッピングなど、ECモールが提供しているライブ配信機能を使うこともできます。
この場合、スムーズに購入画面に遷移させることができるというメリットがあります。
SaaS型
こちらは自社のサイトにライブ配信機能を埋め込み、配信を行うものです。
費用はかかりますが、配信の質を担保することができるため、実践している企業も多くあります。
ライブコマース成功のためのポイント
ライブ配信のプラットフォームのお話までしたところで、続いてご紹介するのはライブコマース市場で成功を収めるためのポイントです。
実際に配信を行おうとしているのなら最低限押さえておきたい内容となっています。
ターゲットを明確にする
まずは誰に向けてライブ配信を行うのかを明確にした方が良いでしょう。
過去の購買データやマーケティングデータがあるなら最大限生かし、ライブ配信のターゲット層を絞り込みます。
漠然と配信を行うのではなくデータに基づいた絞り込みができれば、購買につながりやすくなります。
配信コンテンツの事前準備
ライブ配信と聞くとアドリブのイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、ライブコマースの配信において一番大事なのは事前準備だといっても過言ではありません。
台本や大まかな流れを事前に組むことで、配信の方向性を見失ってしまう危険性を回避することができます。
ライブ終了後の対応
ライブが終わってもライブコマースは終わっていません。
ライブ配信が終了した後にもお問い合わせへの対応やアーカイブ配信の公開など、やるべきことはたくさん残っています。
むしろライブ後に購買につながるケースもあるため、気を抜かないようにしましょう。
日本でも広がりつつあるライブコマースで販路の拡大を!
テレビショッピングが人気を集める日本では、ライブコマースの人気も年々増しています。
どの業種であっても参入することができるため、ぜひこの機会にライブコマース導入の検討をしてみてください。
ライブコマースや動画に関するお悩みがあれば「動画の窓口」にご相談ください!