近年では、動画でのマーケティングが増えてきました。有効的な手法として多くの企業が取り入れはじめ、今後もマーケティング手法の一つとして活用されていくでしょう。
ですが動画を使用する場合には、制作者側からのメッセージを一方的に伝えることしかできません。そのため、使用する場面によっては、制作者側の意図が伝わりにくくなってしまうこともあります。
そこでおすすめなのが「ライブ配信」を活用する方法です。ライブ配信はリアルタイムのやりとりが可能なため、動画では実現できないマーケティングやPRを実施することが可能です。
この記事ではライブ配信のやり方や必要なものなどを解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ライブ配信のやり方は?
ライブ配信は難しいと思われがちですが、決してそのようなことはありません。極端な話をしてしまえば、パソコンさえあればライブ配信を行うことは可能ですし、スマホ1台でもライブ配信は十分に行うことができます。
ライブ配信のやり方はいたって単純。まずは配信のツール(YouTubeやZoomなど)やスケジュールを決め、それを相手に共有しましょう。その後必要な機材や資料などを用意し、当日実施すればそれでOKです。内容などはあらかじめ精査しておくようにしましょう。
またライブ配信と一口にいってもその種類は様々。YouTuberやインフルエンサーが行うような不特定多数の人が見るようなものはもちろん、身内だけで資料を見ながら会議するものもライブ配信と呼ぶことができます。
ライブ配信について、難しく考える必要はありません。むしろ動画を用意するよりも簡単で、リアルタイムでのコミュニケーションをとることのできる、便利なオンラインツールの一つなのです。
ライブ配信のメリットとデメリット
ライブ配信のやり方について簡単に解説をしてきましたが、ライブ配信を行う際に覚えておきたいメリットやデメリットも存在します。
ここからはそれぞれについて詳しく解説をしていきますので、メリットとデメリットについてしっかりと理解をしておきましょう。
メリット
ライブ配信のメリットについては、以下の3点が挙げられます。
- 視聴者との距離が近い
- その場での質問が可能
- 即時性の高さ
まず1点目は、視聴者との距離が近い点が挙げられます。相手の反応や理解度を随時確認しながら進行ができるため、温度感や距離感を図りながら会話の内容やアピールポイントを選択していくことができるでしょう。
2点目は、その場での質問が可能な点です。動画の場合には、動画を途中で止めて質問をするという音ことはあまりしないと思います。そのため、動画を視聴しながら質問をまとめるという場面も出てくるでしょう。
この場合に考えられる弊害としては、「質問をまとめている際に動画の内容を聞き漏らしてしまう可能性がある」ことです。そうなってしまうと、その先に出てきた内容が理解できず、結果的に質問が増えてしまうというサイクルに陥りかねません。
ライブ配信の場合には、その場で質問ができるため、制作者側も視聴者側も不安なく進行することが可能といえるでしょう。
3点目に挙げられるのは、即時性の高さです。
必要な情報をその場ですぐに発信ができるのは、ライブ配信ならではのメリットとなります。例としては、社内の会議をライブ配信で行う場合に、追加資料がくる場合や資料の修正が発生することも考えられます。
このような情報をその場で修正・発信を行えるのは、ライブ配信だからこそできることといえるでしょう。
デメリット
ライブ配信を行う際のデメリットは、以下の2つが挙げられます。
- 事前準備が重要になる
- インターネット回線が重要になる
1点目に挙げられるのは、事前の準備が重要になる点です。
当然ながら、ライブ配信はいきなり本番というわけにはいきません。カメラへの映り方や画面切り替えのタイミング、動作環境の確認などが必要になります。また、進行役のリハーサルも大切になるでしょう。
実際にライブ配信を行う際には、事前準備にそれなりの時間がかかるということを覚えておきましょう。
2点目はインターネット回線が重要になる点です。
ライブ配信は継続的に大容量の通信を行います。そのため、安定したインターネット回線の用意が必要です。
インターネット回線が安定していない場合には、配信映像の乱れや音声の途切れなどが発生してしまい、ライブ配信としての意味がなくなってしまうことも考えられるでしょう。
事前準備の段階では、ライブ配信の流れだけでなく、インターネット回線の確認も怠らないようにしてください。
ライブ配信時に最低限用意すべきもの
実際にライブ配信を行う際に必要なものとしては、以下の3点が挙げられます。
- パソコン
- カメラ
- マイク
ここでは最低限必要なものに加え、それぞれに関連するあると良いものを紹介していきますので、参考にしてください。
パソコン
ライブ配信を行うには、パソコンの用意が必須です。パソコンがなければ、そもそもライブ配信は行うことは難しくなりますので、必ず用意してください。
また、事前に配信ソフトを入れておくこともおすすめです。代表的な配信ソフトはOBS(Open Broadcaster Software)と呼ばれるもので、このソフトは無料で使用することができます。
画面の取り込みを行うことも問題なくできますので、配信ソフトは用意しておいて損はないでしょう。
カメラ
ライブ配信を行う際には、カメラの用意をしておきましょう。
進行役だけを映すのであれば、定点カメラ1台だけあれば問題ありません。ですが、配信のクオリティを挙げる場合には複数のカメラを用意すると良いでしょう。
カメラの台数は3台がおすすめ。定点カメラとして寄りと引きのものをそれぞれ1台ずつ、手元を映すカメラを1台とすることで映像に臨場感が生まれます。
ただし、複数台のカメラを使用してカメラ映像を切り替えるには、「スイッチャー」と呼ばれる機械が必要です。こちらの用意も忘れずに用意してください。
マイク
音声を取り込むためには、マイクの用意が必須です。マイクにはピンマイクとガンマイクの2種類があり、少人数が話をする場合にはピンマイクを、多人数で話をする場合にはガンマイクを用意するのがおすすめです。
ただしピンマイクを使用する場合には、話をする人物によって音量が変わることも考えられます。その場合には「オーディオインターフェース」を用意することで、それぞれの音量調整を行うことが可能。
あまりにも音量に差が出る場合には、こちらも併せて用意しましょう。
ライブ配信はどのような環境が良いか
ライブ配信は機材のほか、環境も非常に重要となります。
- 人員と役割
- 配信をする場所
- インターネットの環境
上記3点について、詳しくみていきましょう。
人員と役割
人員については、カメラの台数を目安に計算するのがおすすめです。
- 進行役×1人
- ディレクター×1人
- カメラ管理×1人~2人
上記のような人員配置を行えば、問題なくライブ配信を行えます。
人員は多くても少なくても困りますので、必要最低限の人員で運営するようにしましょう。
配信をする場所
配信をする場所についても、環境の確認は非常に重要です。
インターネット環境の有無は初めに確認しておきましょう。ライブ配信にはインターネットの環境が必須です。
また、電源回りの環境もライブ配信にはとても重要です。多くの機材を電源に繋げるため、電源の数や電源までの距離など、配信場所を選定する際には必ず確認してください。
インターネットの環境
インターネット環境の有無を確認したら、接続方法や速度についても確認しましょう。
速度に関しては速いほうがライブ配信が安定しますし、有線接続が使用できればそれに越したことはありません。
ライブ配信時にトラブルが起きないよう、可能な限り条件の整ったインターネット回線を使用できる場所を選ぶのがおすすめです。
ライブ配信で活用されるグリーンバックとは?
この記事をお読みの皆さんは、グリーンバックという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
グリーンバックとはその名の通り「緑一色の背景」のことを指し、紙や布で背景色を統一させるライブ配信や動画撮影の技術です。
グリーンバックを使用するメリットとしては、背景の透過や合成が簡単になるという点です。背景色を統一しておくことで、特定色を透過することが可能。これを「クロマキー処理」と呼びます。
クロマキー処理のメリットは、
- 配信場所の特定を防ぐこと
- 配信画面に違和感なく進行役を取り込むこと
- 配信のイメージに合わせた背景を合成できること
上記のようなことが挙げられます。
グリーンバック自体の用意は難しくありませんので、有効活用していきましょう。
ライブ配信時の注意点
ライブ配信は非常に便利なツールですが、制作者側が主体になる必要があることは覚えておきましょう。
また、一方的な配信となってしまっては動画を使用することと何ら変わらなくなってしまいます。
視聴者にとってより良い環境としていくことが、ライブ配信にとって大切な要素です。
企業の活用事例
コロナ禍のいま、ビジネスシーンでも対面のやり取りは難しくなっています。そのため、多くの企業がライブ配信を有効活用しているのも事実です。
では実際に、どのような場面で企業がライブ配信を活用しているのか、詳しくみていきましょう。
企業説明会
企業説明会の場面で、ライブ配信は有効活用されています。
オンライン上で完結するライブ配信は、視聴者からの質疑応答が気兼ねなく行えるほか、遠方に住んでいる場合でも関係なく参加することが可能です。
そのため、より多くの求職者を集めたい場合には有効な方法であるといえるでしょう。
採用活動の場面
採用活動の場面でも、ライブ配信は有効活用されています。
企業説明会と似ていますが、入社を考えているのは近場の学生ばかりではありません。むしろ遠方からも参加したいと考えている学生は多いものです。
またライブ配信ならではのメリットとして、アーカイブを見返すことができるという点も挙げられます。
会場を用意する必要がなくコスト削減にもつながりますので、ぜひ活用してみてください。
商品紹介
商品紹介の場面でもライブ配信は有効です。
商品紹介をする際、動画の場合には基本的な使い方の紹介しか行えませんでした。そのため「〇〇には使えるのか?」「もう少し詳しく見せてほしい」などの疑問の払拭は難しかったといえるでしょう。
ライブ配信の場合には、それらをリアルタイムで解決することができるため、視聴者の購買意欲に繋げることが可能です。
今まで商品紹介動画を制作していたのであれば、ライブ配信での商品紹介を実践してみることをおすすめします。
ライブ配信はどんどん活用するのがおすすめ
今回はライブ配信に関して、やり方やメリット・デメリット、必要なものを解説してきました。
ライブ配信は対個人、対企業ともに有効活用することのできるツールです。そのため、いち早く取り入れるのが非常におすすめ。
この記事で説明してきたことをもとに、早速ライブ配信を活用してみてください。
また、ライブ配信については下記の記事でも解説をしています。こちらも併せて参考にしてみてください。
ライブ配信のコンテンツについて:「ライブ配信はコンテンツ内容が大切!コンテンツの作り方を徹底解説!」
ライブ配信の緊急対応について:「ライブ配信は緊急時の対応にもコツがある!いざというときに対処できるようにしておこう」
監修:齊藤さぶろう
映像会社PM兼配信プロデューサーとして活動中。
nside Theater vol.2「ぼくらのラストフェスティバル」(オンライン版リアル脱出ゲーム)やルミネエスト新宿 2019年夏ファッション広告などにも携わっており、制作やマネージメントを得意とする。
座右の銘は「人間の想像することは、現実でも実現出来る」。
Twitter:https://twitter.com/SABUROCK_
note:https://note.com/pm1