日々、動画を制作したり、編集したりしているとその制作手法がマンネリ化してきませんか?
ずっと動画を制作し続けていると、次第に「同じような映像ばかりだな…」と思うようになるかもしれません。
今回は8つの映像技法をご紹介しますので、ぜひこれらの技法を参考にして他とはひと味違った映像を作ってみてください。
この記事の監修者
「動画の窓口®️」動画コンシェルジュ
池上 和
不動産営業マンから動画クリエイターに転身。現在は動画コンシェルジュ。 『動画の窓口®︎』プロデューサー。企業動画を年間約1,000本プロデュース&制作している。動画の窓口株式会社社長。合同会社イエロー代表。動画フリーランスコミュニティ「若羽-wakabane-」創業者。
目次
面白い映像技法8選
それでは早速、8つの映像技法をご紹介します。
すぐに使うのは少し難しいものもありますが、取り入れることに成功すれば個性的な映像を作ることができるといえます。
1. バレットタイム
まずご紹介するのは「バレットタイム」という技法です。
バレットタイムは、複数台のカメラを被写体を囲むようにして配置し、編集でそれらの映像をつなぐことで被写体の動きを止めたままカメラだけが動いているかのような映像を作るものです。
このようなバレットタイムを使用する際はSONYのRX0シリーズがおすすめです。
RX0シリーズは以下のような特徴があります。
・コンパクト
・高フレームレートでの撮影が可能
・1インチセンサーの高い感度で撮影可能
・Sonyの公式アプリを使うことでスマートフォンやタブレットから一斉撮影が可能
・ただし、数秒のみの撮影ができないので限られたシーンで使用すること
バレットタイムは動画の窓口の別の記事でもご紹介しています。より詳しく知りたい方はぜひそちらもご覧ください。
関連記事:バレットタイムのやり方は?スマホでも作れるってホント?
2. ボディトランジション
トランジションとは、2つの映像をつなぐために使用されるエフェクトのことです。一般的にはソフトウェアやアプリのトランジション効果を使用してシーンの切り替えが行われますが、ここでは体の一部を使用したボディトランジションをご紹介します。
以上のようにカットの切り替えの工夫はさまざまです。ボディトランジションを楽しみましょう!
3. 2台以上のカメラを使ったインタビュー
インタビュー動画を作る際に1つのカメラのインタビューのみだと単調になってしまい、視聴者が飽きてしまいます。そのため、2台以上のカメラを使ってインタビューすることで変化を加えることができます。
また、話の必要な部分のみをカットして使いたい時に、異なるアングルのカメラを使うことで自然なつながりになるというメリットもあります。
インタビュー動画を作る際に1つのカメラのインタビューのみだと単調になってしまい、視聴者が飽きてしまいます。そのため、2台以上のカメラを使ってインタビューすることで変化を加えることができます。
また、話の必要な部分のみをカットして使いたい時に、異なるアングルのカメラを使うことで自然なつながりになるというメリットもあります。
以下の動画のように大きく角度の異なるアングルのカメラを入れることで、表情の変化の違いが見えたり、画面のノッペリ感を防いだりする効果もあります。
もし、カメラが1台しかない場合でも、4Kで撮影しておけば以下の動画のように全体のカットと寄ったカットを使い分けることで2台のカメラで撮影したような編集が可能になります。
4. スローモーション
スローモーションは動きの激しい映像をゆっくり丁寧に見せたい場合に使用します。例えば髪やスポーツ、工場、手作業、子どもの笑顔などです。
ケース1:狙ってスローモーションにする場合
この場合の動きは激しく滑らかにしましょう。
ケース2:編集時になってから演出的にスローモーションにする場合
例えば、人物のインタビューに合わせてインサート(挿入)カットとして映像を使う場合に「どうしても少しだけ映像の尺が足らない…」なんてこともあります。そういう場合は映像を引き伸ばすことでスローモーションにしましょう。
ケース2のように編集時にスローモーションにするためには、撮影時にカメラの設定を60fps、120fpsで撮影をしておくことです。メモリに余裕があるのであれば60fpsで撮影しておくことがおすすめです。
5.あえて人物の顔が出ないはじまり
この技法は人物の顔が出ないことで誰が、何を言うのか?というドキドキ感のある演出が可能です。ドラマや映画などでもよく使われる技法ですが、以下のパンテーンさんのCMでは見事に活用されています。
6.ライティング
次はライティングに関する技法を3つご紹介します。
1.後ろからのライティング
2.昼を夜(夕方)にするライティング
3.女優ライト
まずご紹介するのは人物を撮影する際に試したい「1.後ろからのライティング」です。逆光は、被写体との明るさの差ができてしまうため敬遠されがちですが、後ろからの光をうまく使えれば幻想的な光を演出することができます。繊細なライティングとカメラワークが必要になるので、ぜひ練習してみてください。
次にご紹介するのが「2.昼を夜(夕方)にするライティング」です。照明を部屋の外から入れることで夕日や月夜の光を演出することができます。
以下の動画では朝方を演出しています。
一方でこちらの動画では夜を演出しています。
昼を夜(夕方)にするライティングでは以下のことに気をつけましょう!
・キーとなる照明以外の電灯はすべてオフにする
・部屋の窓も閉め、外からの自然光を遮断する
・1000ルーメン以上の強めの照明を利用する
最後は「3.女優ライト」です。
テレビで見る女優さんはいつも綺麗なカメラ映りをしていますよね。これには女優ライトと呼ばれる技法が使われています。以下の動画を見ると女優ライトを使っているときと使っていないときの違いがわかると思います。
以下の動画では女性側に女優ライトを入れることで、ビジネス男性の落ち着いたイメージとのギャップを演出しています。
大きめの照明がないコンパクトな現場でも、以下のようなハンドサイズの照明を足下におくだけでも印象は明るくなるのでおすすめです。
7. ツインズカム
続いては「ツインズカム」という技法をご紹介します。
ツインズカムは、2つ以上のカメラの映像を組み合わせて立体的な映像表現をするものです。
先ほどのバレットタイムと似ていますが、それがさらに進化したものだと考えてもらうと良いでしょう。
複数のカメラの映像をつなぎ合わせて、自由にカメラアングルを操作するのはバレットタイムと同じですが、最新のツインズカムはもっと高次元な撮影ができます。
動いているものを捉える際に1つのカメラのアングルを変えると、他のカメラも連動して動くのです。しかも、映像が自然に見えるように自動的に調整してくれる機材もあります。
バレットタイムではカメラの固定が必須でしたが、技術進歩により自由自在に映像を操れるようになりました。
8. ダッチアングル
通常、被写体にカメラを向ける際にはできるだけ水平を保とうとしますが、ダッチアングルは「あえて」反対にカメラを傾けて撮影をする技法です。
映画やドラマでよく使われる技法で、不安感をあおったり迫力を出したりする際に使われることが多いです。
被写体の動きに合わせて傾き度合いを変化させることもあります。
変わった映像技法を取り入れるメリットとデメリット
ここまででご紹介した映像技法は、どれも通常の動画撮影ではあまり使われることのないものばかりです。
こうした一風変わったテクニックを使うことのメリット・デメリットはどのような部分にあるのでしょうか?それぞれご紹介します。
変わった映像技法を取り入れるメリット
変わった映像技法を取り入れることの最大のメリットは「単調な映像を脱することができる」ことです。
動画の内容ももちろん大切ですが、見せ方も同じくらい大切です。
インパクトのある映像技法を適切に使うことができれば、視聴者を飽きさせず視聴時間を延ばせます。
ここで大切なのは、無闇やたらにいろいろな技法を乱発するのではなく、最適なタイミングで最適な技法を取り入れることです。
変わった映像技法を取り入れるデメリット
デメリットとしてまず挙がるのは「コストがかかること」です。
先ほどご紹介した「バレットタイム」ではたくさんのカメラを設置し、編集段階ではそれらの映像をうまくつなぎ合わせる必要があります。
手間だけでなく技術も必要とされるので、さまざまなコストがかかってきます。
また、こうした映像技法を多用しすぎると映像が見にくくなってしまうかもしれません。視聴者が疲れないよう、アクセントとして変わった技法を取り入れるのが良いでしょう。
ほどよく映像技法を取り入れてより良い動画を!
映像を制作していると、だんだん自分のスタイルが確立してきます。
スタイルが確立するのはとても良いことですが、マンネリ化にもつながってしまいます。
今回紹介した以外にもたくさんの映像技法があるので、それらをスパイスとして取り入れてより良い動画を作っていきましょう。
「動画の窓口」では、そうした相談も受け付けています。ぜひお気軽にご相談ください!