「モーショングラフィックス」という単語を聞いたことがあるでしょうか。
モーショングラフィックスについて、普段から意識して生活しているという人は多くないと思います。ですがモーショングラフィックスは、日常にもあふれているものです。
この記事ではモーショングラフィックスについて、以下の項目について解説します。
- モーショングラフィックスが使用されている場面
- モーショングラフィックスを取り入れるメリット
- モーショングラフィックスを取り入れるメリット
- モーショングラフィックス制作のポイント
本記事をお読みいただくことで、モーショングラフィックスについての知識を取り入れることができるでしょう。
動画コンテンツにモーショングラフィックスを取り入れることができれば、より効果的で面白い動画制作をすることができるようになりますよ。
目次
モーショングラフィックスとは?
そもそも、モーショングラフィックスとはどのようなものを指すのでしょうか。
広義にはなりますが、一般的にモーショングラフィックスとは「文字やグラフィック、写真を動かした映像の総称」となっています。
モーショングラフィックスの組み合わせはいろいろあり、日常でよく目にするものの代表例としては「ロゴモーション」。主に企業のロゴのアニメーションやCMの文字の動きなどに活用されています。
通常の映像素材の場合には人や物が動いていますが、モーショングラフィックスでは後から動きをつけるのが特徴。編集のパートで動的な見せ方をするのが、通常の映像素材との違いになっています。
モーショングラフィックスはどのような場面で使われている?
モーショングラフィックスが多く使われているのは、ロゴモーションやCMの差し込みで使われるテキストアニメーションです。
そのほかには、PowerPointを動かすようなWeb広告である「インフォグラフィックス」や、NewsPicksをはじめとする動画オウンドメディア内で動きのある文字が使用されており、これらもモーショングラフィックスの一つとなります。
モーショングラフィックスを取り入れるメリット
モーショングラフィックスをどのような動画に取り入れるかによって変わりますが、基本的には「口では伝えづらいことを伝えたい場合」にモーショングラフィックスを使用するのがおすすめです。
例えばWi-Fiのサービスを伝えたい場合、扇状の部分を動かしたり点滅させることで、電波を出しているイメージが付きやすいと思います。
動画広告や映像コンテンツが増えていることで、単調な映像では視聴者が見慣れてしまっているのが現状です。
モーショングラフィックスで、「実写では見られない面白い動き」を取り入れれば、個性的な映像となり、注目を集めることもできるでしょう。
モーショングラフィックスの動画制作時のポイント
モーショングラフィックスはその名の通り「動きをつける映像」です。そのため、一つの動きから次の動きへの間を意識することが大切。
ずっと動き続けている場合には、モーショングラフィックスではなくシーンや流れごとにまとまりを付けた構成が重要になります。
Aの動きとBの動きは一つの動きであることや、次の動きは別のことを意識した動きであるなど、何を伝えたいのかを明確にして制作するようにしましょう。
新しいモーショングラフィックスの使い方
モーショングラフィックスは、実写の映像と組み合わせをするのがおすすめです。「実写映像の面白さ×モーショングラフィックスの面白さ」が掛け合わされることで、どちらの良さも強調されるでしょう。
NetFlixの映画に「ミッチェル家とマシンの反乱」という映画があり、この映画では作中にモーショングラフィックスが使用されています。
3DCGの作品の合間で使われており、このような使い方が今後も増えてくるはずです。
モーショングラフィックス制作時の2つのコツ
モーショングラフィックス制作時は、基本的に編集段階で素材の動きに注目する必要があります。
主に注目したいポイントについて、詳しくみていきましょう。
人物や物体の流れを把握する
モーショングラフィックス制作時には人物や物体の流れを把握することが大切です。動きの流れはもちろん、骨格や力の動きによく注目しましょう。
この点がしっかりしていないと、動きとして不自然であったり、無理な動きになってしまいます。自然な動きであればあるほど、良いモーショングラフィックスとなることを意識しましょう。
動きをどう効果的に見せたいか決める
動きを決めたら、次はどのように効果的に見せたいのかを決めていきます。見せ方によってモーションのつけ方が変わりますので、この点は必ず決めていきましょう。
まずは撮影素材を見て、どちらに力が働いているのかを見極めます。
例えば、右手でパンチをしているのであれば、右側は前に進み左側は後退するはずです。腰から頭にかけては前かがみになるため、これらを意識してモーションをつける必要があります。
もしもパンチを強調したいのであれば、パンチの方向に強調のモーションをつけ、逆にしたければ真逆の力のモーションを入れるのがおすすめ。
このようにして、どの部分を効果的に見せたいのかをしっかりと決定し、見極めることが重要となってきます。
モーショングラフィックスの作り方
モーショングラフィックス制作には、おすすめのツールがあります。
制作の流れと併せて、確認していきましょう。
主に使用されるツール
モーショングラフィックスで主に使用されるのは、以下の2つのツールです。
どちらもモーショングラフィックスを制作するうえでは、メジャーかつ使いやすいソフトです。
今後制作に取り組んでいくのであれば、ぜひこの2つを利用してみてください。
制作の流れ
モーショングラフィックスを制作する流れは、主に以下の流れになります。
1.ワークフローを決め、使用するグラフィックを決める
2.動画を入れる前に静止画状態でデザインを決め、作り出す
3.動作をつけていく
4.調整を行う
対顧客で制作を行っている場合には、6割程度の段階で顧客に確認しつつ調整を行うのがおすすめです。完成後の調整は手間がかかりますので、都度確認をしていきましょう。
自主制作の場合には、自身の好きなところからこだわっていくのがおすすめです。満足のいくものを制作しましょう。
モーショングラフィックスの今後について
モーショングラフィックスは、今後どんどん増えていく見込みです。AIの自動生成が増えていくことは間違いないでしょう。
また、VRやARと関連して制作されるものも増える見込みです。現在、音楽系のライブ映像でもコンサートに行っている人たちは、オンラインならではの映像演出を楽しんでいます。
今まではモーションの制作をするためのマシンパワーが足りず、時間がかかっていました。1分程度の動画でも、2Dで15分、3Dで数時間かかることもあります。
ですがそれも徐々に改善されてきており、ソフト面、ハード面の両方が進歩してきました。3DCGの情報取得については、まだまだ少なく、英語の情報が多いのが現状です。
ただし、今後VRやARがより生活に密接になることで、日本語の情報が出てくるほか、3DCGの制作用途は増えてくることでしょう。
まとめ:モーショングラフィックスは映像コンテンツを面白くする
今回はモーショングラフィックスについて解説をしてきました。
モーショングラフィックスは「伝わる映像でありつつも、映像自体を楽しめる映像にできるもの」です。映像コンテンツが増えている中で、つまらない映像やわかりやすいだけの映像は数多くあるでしょう。
そこにモーショングラフィックスが加わることで映像コンテンツ自体が面白くなり、見栄えが良くなります。
今回解説してきたことをもとに、内容だけでなく、ビジュアル面でも面白く、驚きを与えられる動画制作を目指してみてください。
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監修:kokeshi(動画の窓口公認コンシェルジュ)
映像ディレクター/モーションデザイナー/3DCGデザイナー
誕生日:1996年2月26日
2019年 9月 法政大学経営学部卒業。同時に学生時からしていた映像制作で新卒フリーランスとして独立。
2020年 4月 デジタルハリウッド大学3DCG専科受講。
2020年 10月 U-35映像フリーランスコミュニティ 若羽-wakabane- 代表に就任。
2021年 6月 Dance Motion Award FISHBOY賞受賞。