「ジェットカット」という編集テクニックをご存じですか?これは主にYouTubeの動画で定番ともいえる手法で、目にしたことがない人はいないといっても過言ではないほどのものです。
この記事ではジェットカットとはどのようなものなのか、またどのような場面で活用することができるのか解説します。もし動画の制作を考えているならきっと役立つはずです!
目次
ジェットカットとはどのようなもの?
まずはジェットカットとはどのようなものなのか見ていきましょう。
これまで名前を知らなかっただけで、内容を聞けば納得していただける方も多いはずです。
普段見ている動画を思い浮かべながら読み進めてみてください!
「間」をカットする動画編集の手法
ジェットカットを簡単に説明すると「動画の中の間をカットするテクニック」ということになります。
特にアドリブで話す場面では、「えー」や「あー」といったつなぎの声が入ってしまいがちです。また、そうでなくても話と話の間にどうしても間ができてしまいます。
そうした無駄な部分をとことんカットする手法がジェットカットです。
現在ではYoutuberの動画でよく使われる
もともとこの技法の元となったのはテレビ番組の編集で使われた「ジャンプカット」というものでした。
長時間にわたるインタビューをテレビの放送枠に合わせて短くカットしたり、映像にテンポ感を出したりするために活用されました。
近年では「ジェットダイスケ」さんがYouTubeの動画編集に取り入れ始めたことで、YouTube動画での編集技法の定番となりました。
ちなみにジェットカットという名前はジェットダイスケさんの名前からきているそうです。
主にジェットカットが活用される場面
言葉で説明するより、実際に動画を見ていただいた方が早いと思うので、動画を掲載します。
こちらは人気YouTuber「はじめしゃちょー」さんの動画です。
冒頭の企画説明のシーンから大胆なカットが多用されているのにお気づきでしょうか?もしかすると違和感を覚えなかった方も多いかもしれません。
もはやYouTube動画ではジェットカットを使っていない動画の方が珍しいくらいなので、私たちは完全にジェットカットに対する違和感は抱かなくなっているといえます。
特に、先ほどご紹介したようなテンポ良く進行していく動画との相性は抜群です。
どんな時に使える?
今度は動画編集をする側という観点から見てみましょう。
ジェットカットはどのような場面で活用できるでしょうか?主に考えられるのは以下のような場合です。
- テンポ感を出したい場合
- 間を操作することでおもしろさを演出したいとき
- メリハリをつけたいとき
間を削ることでテンポ感を出せるのはもちろん、あえて細かく動画をカットし、場合によっては話の途中で次のシーンに移すことで面白さを演出できます。
また、話をしているシーンのうち、無駄な部分を省くことでスマートさを演出することもできるでしょう。
詳しくは次の項目でご紹介しますが、ジェットカットはこのように活用できるということを知っておくだけで動画編集の幅が広がるはずです。ぜひ積極的に活用してみてください!
なぜYouTuberのほとんどはジェットカットを多用するのか?
それではもう少し深掘りしてみましょう。なぜ特にYouTubeの動画においてジェットカットは多用されているのでしょうか?
この理由を深く知ることで、今後動画作りをする際のヒントを得ることができるかもしれません。
動画を短くするため
YouTubeの動画のほとんどは5分から10分ほどの手軽に視聴できるものです。
テレビ番組では標準的な長さの30分程度の映像も、YouTubeの動画ではかなり長い部類になります。
そのため、1本の動画でできるだけたくさんの情報を伝えるためには無駄な部分をとことん削る必要があるのです。
そうした考えのもと、ジェットカットが使われているケースはかなり多いといえます。
テンポ感を演出するため
ジェットカットを使うと動画全体のテンポが良くなるため、視聴者の「飽き」を遠ざけて離脱率を下げる効果が見込まれます。
これまで映像娯楽の主流だったテレビでは放送局の数は限られ、また競合となる番組は放送時間帯がずらされていたため、途中で視聴をやめる人はそこまで多くありませんでした。
しかしYouTubeには無数の動画があり、いつでも視聴することができます。
こうした背景が離脱率の向上と、視聴者を飽きさせないようにするための動画コンテンツ制作競争の激化につながっています。
少しでも心をつかみ動画を視聴してもらうためには、ジェットカットを使ってテンポ感を演出するのが必要不可欠だといえます。
ジェットカットの4つの技法
ジェットカットを実際に取り入れたい場合には、どのような技法が使えるのでしょうか。ここでは主に4つのジェットカットの技法をご紹介します。
基本的に編集方法は同じですが、使う素材や使い方によって印象が大きく変わります。それでは、ひとつひとつみていきましょう!
①基本のジェットカット
まずはカットを駆使して会話の無駄を省く基本技です。先述したようなテンポのよさを演出することもできます。
編集の仕方はすごく簡単です。人物が話している場面や物を映している場面から必要なシーンだけをピックアップし、残りの部分はすべてカットしてしまうだけ。大胆に編集するのがコツです。
②スピード感ありあまるジェットカット
続いて、スピード感が「ありあまる」編集方法のご紹介です。
基本のジェットカットでは必要な部分だけを残してあとはカットしてしまうと言いましたが、場合によっては会話の途中で切ってしまうのもありなんです。
熱く語っている場面であえて次のシーンに変えることで、シュールさすら演出できます。
③メリハリのジェットカット
ジェットカットを使う際には動画全体で使い続けなければいけないわけではありません。
アクセントのように、ほんの一場面にのみジェットカットを使って動画全体のメリハリをつけるのも有効です。
その際には、何をどのような意図で目立たせたいのかしっかりと吟味してから編集し始めるのをおすすめします。
④一人に注目させるジェットカット
最後にご紹介するのは、少しトリッキーなジェットカットです。
発言の中から必要な部分だけを取り出すのは基本のジェットカットと同じなのですが、その発言を取り出す対象を絞り込んでしまえば、印象を大きく変えることができます。
たとえば、数人で話している動画の中から一人の発言だけを取り出した場合、あたかもその人だけが話しているように見せることができます。
やり方によっては一人で暴走しているようにも捉えられかねないので、使う際には慎重に。
実際あまり使われることはありませんが、演出方法として知っておくとどこかで役立つかもしれません。
ジェットカットはテンポのいい動画を作るのに最適
今回ご紹介したのはYouTubeではもはや定番の編集方法となった「ジェットカット」でした。
編集の仕方自体は決して難しいものではないので、ぜひジェットカットを効果的に使って魅力あふれるコンテンツを作ってみてください。
動画の窓口ではこうした動画に関する相談をいつでも受け付けています。是非お気軽にお声がけください!