近年、企業のブランディングに動画を活用するケースが増えてきています。
ですが、実際にブランディング動画を制作したいけれどどのようなものを参考にすればよいか分からないという方もいるのではないでしょうか。
本記事ではブランディング動画とはどのようなものか実例を元に学びたいという方のために、実例として動画の窓口おすすめのブランディング動画を14本厳選して紹介します。
各動画について簡単な解説を加えているので、ぜひご参考になさってください。
この記事の監修者

「動画の窓口®️」動画コンシェルジュ
池上 和
不動産営業マンから動画クリエイターに転身。現在は動画コンシェルジュ。 『動画の窓口®︎』プロデューサー。企業動画を年間約1,000本プロデュース&制作している。動画の窓口株式会社社長。合同会社イエロー代表。動画フリーランスコミュニティ「若羽-wakabane-」創業者。
目次
- 1 ブランディング動画とはどのようなもの?
- 2 動画の窓口おすすめのブランディング動画14選
- 2.1 ママ大丈夫?ワークスタイルムービー/サイボウズ株式会社
- 2.2 コニカミノルタマンⅡ「いちばんはじめの社員」/コニカミノルタ株式会社
- 2.3 「オレオレ詐欺を防ぐのは、オレだ。」/政府広報
- 2.4 カロリーメイトWEB動画『2020年、夏、部活。』篇/大塚製薬株式会社
- 2.5 「きたえた翼は、強い。」/全日本空輸株式会社
- 2.6 森ビル ブランドムービー|DESIGNING TOKYO/森ビル株式会社
- 2.7 『道づくりは、街づくりだ』相模開發50周年スペシャルムービー/相模開發株式會社
- 2.8 「最後の部活」/シューズ愛ランド
- 2.9 鹿島 ビジョンムービー「土木をコードで書きかえろ。」/鹿島建設株式会社
- 2.10 Sansan株式会社 Vision Movie – ビジネスインフラになる
- 2.11 早稲田アカデミー 早稲アカブランドムービー「へんな生き物」篇
- 2.12 オフィスバンク『game changer&No.1』
- 2.13 きものリサイクル青梅『カタチを変えて伝統を繋ぐ』
- 2.14 株式会社アームレックス『共に解体し、共に成長する』
- 3 ブランディング動画制作のポイント
- 4 魅力いっぱいの動画で効果的なブランディングを!
ブランディング動画とはどのようなもの?

そもそも、ブランディング動画とはなんのために、どのように作るものなのでしょうか。
もちろん文字通りブランディングをするための動画ではあるのですが、前提の部分をしっかりと押さえ、方向性を一貫させていなければ完成度の高い動画を作ることはできません。
企業の良いイメージを持ってもらうための動画
企業そのものや理念、ビジョン、フィロソフィーなど会社が独自で持っている考え方や社風、文化を映像によって伝え、企業理解や関心を深めてもらうための動画がブランディング動画です。
これまでブランディングはテレビCMやWEBサイト、SNS上などでの告知で活発に行われてきましたが、近年では急速に動画を利用してのブランディングの発信が進んでいます。
手軽に個人が所有する端末で視聴してもらうことで、企業に対するイメージアップをはかっています。
社会にメッセージを投げかけるものも
公開された動画はターゲットの人々だけが視聴するとは限りません。
特にYouTubeをはじめとする動画サイトに掲載する場合には、動画は老若男女さまざまな人達の目に触れることになります。
ブランディング動画は商品やサービスの情報よりも、視聴者がコンテンツのひとつとして楽しめるような社会意義の高い情報を発信するケースも多々あります。一見利益活動を考えると遠回りかもしれませんが、動画を観た人が企業のファンになってくれることで、サービスの販売や採用活動など、あらゆるシーンで長期的にメリットとなることが多いです。
動画の窓口おすすめのブランディング動画14選

それでは、効果的なブランディングに成功している動画の例をご紹介していきます。
これらの動画はすべてYouTube上で視聴ができるので、ぜひ実際の動画をチェックしてみてください!
ママ大丈夫?ワークスタイルムービー/サイボウズ株式会社
※現在公式チャンネルからのアップロードはされていない模様です。
動画は仕事と育児の両立に奔走する、小さい子をもったお母さんの様子から始まります。
毎日仕事だけでも忙しいのに、それに加えて予測不能なことばかりが起こる育児まで。
日々やるべきことをなんとかこなしていたお母さんは、ふと息子に言われた「大丈夫?」という一言で、自分を大事にできていなかったことに気が付きます。
ワークスタイルを見つめ続けるサイボウズの思いが込められた動画です。
コニカミノルタマンⅡ「いちばんはじめの社員」/コニカミノルタ株式会社
※現在公式チャンネルからのアップロードはされていない模様です。
この動画はコニカミノルタの複合機のブランドイメージ浸透のために制作されたものです。ただ「使える複合機です!」とアピールするだけでなく、会社や社員に寄り添うような複合機であることをストーリー全体を通して伝えるものとなっています。
この動画の主人公となる男性は会社を辞め、起業していく中でたくさんの困難にぶつかりますが、どんな場面にもいつもそばには複合機の化身であるコニカミノルタマンがいました。
向上心を持ち続けることは難しいことですが、とても大事なことだと改めて実感させてくれるようなブランディングムービーとなっています。
「オレオレ詐欺を防ぐのは、オレだ。」/政府広報
特殊詐欺の被害件数が年々増加していることを受け、政府広報が制作した動画です。
詐欺被害に遭ってしまうのは、電話を受けた人に注意力がなかったことよりも、離れた親族との関係が薄れてしまっていたことが原因になっていると気づかせてくれます。
離れた親族が被害に遭わないために、いま自分に何ができるのか考えるきっかけを広く与えた動画となっています。
カロリーメイトWEB動画『2020年、夏、部活。』篇/大塚製薬株式会社
主力商品「カロリーメイト」のブランディング動画ではあるのですが、宣伝はほとんど出てきません。
新型コロナウイルスの影響で部活での練習や試合の機会を失ってしまった高校生たちの物語が、各々の思いを綴った文章とともに映し出され、動画は進んでいきます。
想定外の出来事に戸惑い、ためらい、落胆しながらもそれぞれのやり方で懸命に前を向こうとする姿に、視聴者も自らの思いを重ねられるような動画になっています。
こうしたメッセージを伝えることも、ブランディング動画の大切な役目です。
「きたえた翼は、強い。」/全日本空輸株式会社
※現在公式チャンネルからのアップロードはされていない模様です。
ANAでおなじみの全日空のブランディング動画です。
はじめはたった2機のヘリコプターから始まったこの会社は、今や世界で羽ばたく航空会社となりました。
その過程は決して平坦なものではありませんでしたが、だからこそ強くなることができたという企業の本質に触れたものとなっています。
動画は10年以上前に制作されたものですが、移動が制限され思うように羽ばたくことができない今こそ見返すべきなのかもしれません。
森ビル ブランドムービー|DESIGNING TOKYO/森ビル株式会社
古くから東京の都市開発に携わってきた森ビルは、時を経て人やモノ、街が変化していくのを目の当たりにしてきました。
そしてそこに寄り添うように新たなビルをつくり続けてきたのです。
そうした森ビルの姿勢がよく分かるのがこのブランディング動画。
短い動画の中に非常に高度な編集技術が詰め込まれており、時の移ろいをじっくりと感じられる仕上がりになっています。
『道づくりは、街づくりだ』相模開發50周年スペシャルムービー/相模開發株式會社
※制作者側のチャンネルよりアップロードされている模様です。
日々の仕事風景を映しだし、そしてそこに50年間積み重ねてきたメッセージをのせる。
シンプルな動画ですが、内容がすっと頭に入ってきます。
50周年に際して制作された動画ですが、過去のみでなく未来を連想させる内容となっています。
会社の方向性を分かりやすく示した良い例だといえるでしょう。
「最後の部活」/シューズ愛ランド
西日本を中心に展開するシューズショップ「シューズ愛ランド」のブランディング動画です。
3年間陸上に打ち込んできた高校生の少女が主人公なのですが、彼女は最後の大会では勝てずそのまま部活の引退を迎えます。
特にスポーツの世界では輝かしい勝利を収めることができるのはほんの一握りであり、思うように結果を出せず悔しい思いをする人たちの方が多いと言えます。
そうした大部分に寄り添うようなこの動画は、靴のことやそれを履く人のことを本気で考えているからこそ作ることができたと感じさせます。
鹿島 ビジョンムービー「土木をコードで書きかえろ。」/鹿島建設株式会社
ゼネコンとしてのイメージが既に確立している鹿島ですが、今後はその土木の現場に積極的にITを導入していくと宣言しています。
動画は、実際に無人の重機を導入している事例を示しつつ、今後の未来を想起させるものとなっています。
このように会社のビジョンを反映した動画も、社内外へ向けたブランディングに効果的です。
Sansan株式会社 Vision Movie – ビジネスインフラになる
Sansan株式会社のブランディングムービーは、会社の理念や方向性をふんだんに盛り込んだ動画となっています。
メッセージ性の高さはもちろんですが、最大の特徴はアニメーション・CG・実写をすべて織り交ぜて制作している点です。
動画を作るうえで、一つの手法で方向性を固めるケースは多くなっています。しかし本動画はシーンごとに制作手法を変え、視聴者を飽きさせない作りが特徴です。
ナレーションがメインの動画ではあるものの、映像に飽きの来ない、印象強い動画といえるでしょう。
早稲田アカデミー 早稲アカブランドムービー「へんな生き物」篇
早稲田アカデミーのブランディング動画は、動画前半と後半でメッセージが大きく変わる作りとなっているのが特徴です。
動画を見てもらうのが一番ですが、動画前半の子供の行動はすべて後半への伏線となっています。子供がとった行動については、すべて自身の夢に関係する行動です。
「子供の取る行動に無意味なことはない、それを理解するのは難しい。」といったメッセージが隠されているような動画となっていました。
ストーリー性の中に企業としての理念やメッセージが隠されている、非常におすすめのブランディング動画です。
オフィスバンク『game changer&No.1』
※動画の窓口制作
オフィスバンクのブランディング動画は、厳しい競争社会のなかでも常に新しい視点をもち市場に変革をもたらす「game changer」になり、さらにその市場でNO.1になるのだという強い意気込みが込められた動画になっています。
きものリサイクル青梅『カタチを変えて伝統を繋ぐ』
※動画の窓口制作
こちらの動画は最初は生地の状態だった着物が「新しいイノチヲ吹き込む」というひと言から草履やお財布、トートバッグなどに変化していきます。きものリサイクル青梅の「カタチを変えて伝統を繋いでいく」という想いがうまく表現された作品です。
株式会社アームレックス『共に解体し、共に成長する』
※動画の窓口制作
協力会社・一人親方専門であり、内装解体、特殊解体工事の施工会社であるアームレックスでは企業間を越えてチームメンバー全員が協力することを大切にしています。
『共に解体し、共に成長する』という考え方だけでなく、この会社が大切にしている考え方をテロップとして表記しており、会社の信頼感を高める作りとなっています。
ブランディング動画制作のポイント

ここまで実際のブランディング動画を実例として挙げてきましたが、これらの動画のように完成度の高い動画を作るにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
ここでは3つのポイントを挙げ、簡単に解説をします。
方向性を明確に定める
方向性を明確に定めることは、最も大切なことです。
方向性を定めずに動画を制作し始めると、社内で上がる意見を統一させることができなくなります。
なにより製作者がゴールを見失ってしまった動画は、完成こそしても視聴者にはメッセージを伝えることができません。
まずは伝えたい内容を100文字〜300文字程度でまとめましょう。この情報をもとに制作会社のプロデューサーやディレクターと相談しながら、どのような表現方法でブランドメッセージを伝えるのが適切なのか一緒に考えてもらいましょう。
コンテンツとして魅力的な動画を目指しましょう
視聴者は商品の売り込みや、会社の売り込みを見たいわけではありません。そのため、動画自体がひとつの映像コンテンツとして楽しくまたは、有意義な気持ちで見られるような動画に仕上げることを意識して制作を進めていきましょう。
例えば、アニメーションや、ドラマ仕立て、クイズ形式、ドキュメンタリーなど方法はさまざま考えられます。いずれにしても、他社と違う特色を強く押し出すことが重要です。
尺は短めに
伝えたいことがたくさんあるとついつい長い動画になってしまいがちですが、動画が長くなればなるほど最後まで視聴してくれる人は減ってしまいます。
最後まで観られない長い動画より、最後まで観てもらえる短い動画を目指して動画をつくりましょう。
短い中にもストーリー性をもたせることで共感を呼び、拡散してもらいやすくなります。
短いからと言って気を抜かず、動画作りを行いましょう。
BGMを効果的に使う
動画の約半分は音の情報で作られているといっても過言ではありません。どのようなBGMを使うかで企業のカラーや社風が如実に現れます。また、一曲だけを使用する必要はなく、シーンやテンポに合わせて2,3曲使用するのも効果的です。
さらに動画の窓口でオススメしているのはオリジナルBGMを利用することです。楽曲を1から制作することで、自社にしかない世界で唯一の動画が完成します。
↓先ほど紹介したこちらの動画はオリジナルBGMを使って動画を制作しています。
魅力いっぱいの動画で効果的なブランディングを!
視覚と聴覚に訴えかけることができ、幅広い層にメッセージを届けることができるブランディング動画。
今後も活用が進むことが予想されます。ぜひ社内外へのブランディングをする際には動画の活用も視野に入れてみてください。
動画を一から制作するとなると難しく感じてしまうかもしれませんが、つくりたいものがはっきりとしていれば外注してもスムーズに完成までこぎつけることができます。
ブランディング動画を制作したい場合は「動画の窓口」までお気軽にご相談くださいませ。
ここまでお読みいただきありがとうございました!