近年、「CSR動画」が各企業から発表されるようになりましたが、この「CSR」とはどのようなものかご存じでしょうか?
この記事ではCSRとはどのようなものか、そしてCSR活動を世に発表する際に動画を使うとどのような効果を得られるのか、実際の事例をご紹介しながらご説明します。
CSRの概要について知りたい方や、動画でCSR活動を紹介している実例を見てみたい方にぜひ読んでいただきたい記事となっています。
この記事の監修者

「動画の窓口®️」動画コンシェルジュ
池上 和
不動産営業マンから動画クリエイターに転身。現在は動画コンシェルジュ。 『動画の窓口®︎』プロデューサー。企業動画を年間約1,000本プロデュース&制作している。動画の窓口株式会社社長。合同会社イエロー代表。動画フリーランスコミュニティ「若羽-wakabane-」創業者。
目次
CSRとは?

まずはCSRの概要を説明します。
単語自体に聞き覚えはあるけれど、CSRがどのような活動を指すのかしっかり説明できないという方も少なくないのではないでしょうか。
企業が果たす社会的責任のこと
CSRは「corporate social responsibility(社会における企業の責任)」の略です。
単語からもわかるように、CSRとは各企業が社会の広い範囲に対して負うべき責任と、その意思決定や行動を示すものとなっています。
そしてここでいう「責任」とは、消費者や従業員、投資家や地球環境など、さまざまな人や物を対象に適切な判断を下すことを指します。
近年話題に上ることの多い「SDGs」への取り組みも、その一環であるといえるでしょう。
CSR活動を行う上で大切なこと
CSR活動を行っていく上で常に意識しなければならないのは、「社会のためにできることをする」ことです。
当たり前のようですが、投資家や消費者へのアピールを重視するがあまり、その他方面への配慮が不足してしまっている例はたくさんあります。
そのため、本当に社会のためになるのはどのような行動か、そして今企業として何ができるのかを本質的に見つめる必要があるのです。
CSRの活動を動画にする意義
社会のための行動を実践できていたとしても、行動やそこに至る考え方を知ってもらえなければ、企業が果たすべき責任を十分果たせているとはいえません。
活動を「知らせる」ことも企業にとって非常に重大な責任なのです。それを踏まえ、媒体としての動画はこうした活動を知ってもらうのに非常に有効なツールだといえます。
数分程度の動画に活動内容をまとめることができれば、その動画を見た人に活動内容や元となる考え方を誤解なく伝えられるでしょう。
動画の窓口おすすめのCSR動画9選

ここからは実際に企業が制作したCSR動画をご紹介します。
どの企業も素晴らしい動画を制作しているので、参考にできる部分をエッセンスとして取り込めるよう読み進めていただくと良いと思います。
①パナソニック
日本を代表する電機メーカーのパナソニックですが、社会に対して行う貢献も幅広いものとなっています。
しかし一つ一つの動画がコンセプトを持って構成されているので、実際の活動をわかりやすく伝えられています。
②ソフトバンク
誰もが活力に溢れる日々を過ごすことができるように、障がいを持つ方に対するサポートを行っている、ソフトバンクが公開している動画です。
ソフトバンクは、長年携帯電話に寄り添ってきたからこそできるアプローチで、日々の生活における「やること」や「やりかた」を可視化するアプリケーションの開発を行っています。
動画は、実際にアプリを触っていなくてもわかりやすいような、画面の説明を中心にした構成になっています。
③サントリー
続いてご紹介するのは、企業理念として「水と生きる」をフレーズとして掲げているサントリーのCSR動画です。
「サステナビリティムービー」として公開されている5本の動画はどれも地球環境にかかわるもので、サントリーだからこそできる貢献を果たしていることがよくわかる内容となっています。
動画のビジュアルや構成も非常に美しいので、映像作品としての質も非常に高いといえます。
④コマツ
主に重機の製造を行っているコマツでは、同社が持つ強く壊れにくい重機の製造技術を生かしたCSR活動を行っています。例えばカンボジアやラオスで行われているのは、対人地雷を除去するための重機の開発です。
日本ではこうした活動に関する情報が入りにくいです。しかし丁寧に活動内容を説明している動画があれば誰でも簡単に活動内容を知ることができます。自社が行っている活動を効果的に公表している良い例です。
⑤セブン&アイ・ホールディングス
セブンイレブンやイトーヨーカドーを全国に展開する、セブン&アイ・ホールディングスでは、食品ロスの削減や二酸化炭素排出量の抑制をメインに、社会貢献活動を行ってきました。
これらの活動を紹介する動画の長さは、短いもので30秒程度、長くとも10分以内です。
こうしたコンパクトな動画でも、字幕や映像を効果的に使いながら自社の活動について説明を行い、視聴者にも考えさせるようなメッセージも合わせて発信しています。
⑥日本郵政

日本郵政は、日本全国の日常に寄り添う企業として、日本郵政は地域社会や人々の暮らしを支える活動を行っています。
東京の沖合200kmにある御蔵島での活動を紹介している動画では、「当たり前に郵便が届く」ことの裏側にある努力や工夫が描かれています。
島のインフラである郵便局だからこそできる活動と、そこにあえてフォーカスした素晴らしい動画です。
⑦日本生命
こちらは環境の破壊や少子高齢化など、たくさんの社会問題が我々の生活にのしかかる現代社会で、保険会社である日本生命ができることはなにか、真摯にメッセージを伝える動画です。
社員の方ひとりひとりが話すシーンが中心となっている動画ですが、メッセージを的確に伝えることに成功している良い例だといえます。
話し方や映像の撮り方など、伝えたいことを動画を通して広める際に参考にしたい1本です。
⑧NTT
高い技術力と豊富なノウハウを元に、長年日本の中核を担う企業であり続けてきたNTTが、世界各国で行っている活動を国ごとに映像でまとめたのがこちらです。
南アフリカではサイの密猟を減らすための監視システムの開発、インドでは女子生徒の学ぶ権利を支援するための教育プログラムの実施を行ってきました。
それぞれの国の状況に合わせて最適なソリューションを提供してきたその過程を、短めの動画で分かりやすく説明しています。
⑨グリコ
お菓子メーカーのGlicoグループでは、「CSR Activities動画」としてCSR活動をまとめた動画を投稿しました。
この動画が公開されている公式サイトの機能で、視聴者はこの動画に関するコメントを残すことができるようになっていますが、「こんな活動をしているなんて知らなかった」という趣旨のコメントが多く見られます。
これは実際に行っている活動を知ってもらうための手段として、動画が効果的であることを示しているとも言えるでしょう。
CSR動画制作時に抑えておきたい3つのポイント

ここからは実際にCSR動画を制作する上での、大切なポイントを3つご紹介します。
ビジュアルイメージをふんだんに使う
CSR動画を作成する際は、ビジュアルイメージをふんだんに使いましょう。伝えたいメッセージを効率的に伝達するためにもビジュアルイメージは大いに力を発揮します。
また、映像で伝わりづらい内容はアニメーションで表現すると良いです。
なぜその活動をしているのかを明確にする
次にご紹介するポイントは「なぜその活動をしているのかを明確にすること」です。CSR活動をしている理由が明確でないと、ステークホルダーは活動の意義がわからないため、応援しづらくなってしまいます。
一例として、ニチレイのニチレイグループサステナビリティ基本方針「ニチレイの約束」をご紹介します。ニチレイは、ニチレイグループサステナビリティ基本方針を実践するためのCSR活動として、森林を生み出す活動「生命の森プロジェクト」を行っています。
自社のカラーを大事にする
意外と忘れてしまいがちなのですが、自社のカラーや雰囲気を動画に盛り込むことは重要です。動画を構成する要素の中で、会社のカラーが出やすいのは以下の3つです。
- BGM
- 表記するテロップの文章
- 使う映像
視聴者にどのようなイメージを与えたいのかによって、イメージの方向性を決め、自社のカラーにマッチした動画の構成や作りにしましょう。一貫した企業のブランドイメージを視聴者に届けることができます。
自社のカラーを動画に落とし込めれば、より良いCSR動画の完成が期待できます。今一度「自社らしさとはなにか」を見つめ直し、動画制作の方針を決めましょう。
動画を使って効果的にCSRをアピールしましょう!
CSR活動も動画での伝え方も、企業によって千差万別です。具体的な活動内容や「自社らしさ」の部分を伝えられるよい機会になるので、ぜひCSR活動に関する広報は動画で行いましょう。
「動画の窓口」では、こうした動画に関するご相談を受け付けています。いつでもお気軽にご相談ください!