動画コラム

ショート動画時代に知っておきたい縦型動画の撮り方/編集の仕方

こんにちは!日本一の動画オタク。「動画の窓口」の池上です!

今回の内容は現代のSNSマーケティングを踏まえた縦型動画の撮影の仕方、編集の仕方です。

今回はテクニカルな内容になりますが、非常に実践的な内容になっていますので、是非最後までご覧いただき、自社やご自身のビジネスに役立ててくださいね。

また以下の記事では、今回作成したショート動画の活用方法について詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。

この記事の監修者

池上 和

「動画の窓口®️」動画コンシェルジュ

池上 和

不動産営業マンから動画クリエイターに転身。現在は動画コンシェルジュ。          『動画の窓口®︎』プロデューサー。企業動画を年間約1,000本プロデュース&制作している。動画の窓口株式会社社長。合同会社イエロー代表。動画フリーランスコミュニティ「若羽-wakabane-」創業者。

縦型動画の種類と特徴

縦型動画は主に以下の2があります。

  1. 全画面型(縦型)
  2. サンドイッチ型(横型)
    ※TikTok for Business tipsでは「縦2分割型」も紹介されていますが、現在はほとんど見かけません。

全画面型(縦型)

Vlog(ビデオログ)や日常記録、縦型投稿を前提とした企画ではこの全画面型が主流です。スマホで視聴した際に画面全体で表現ができるため臨場感を高められます。

縦型に最適なサイズでテロップなどを入れられるため、できれば全画面型(縦型)で作成することをおすすめします。

サンドイッチ型(横型)

こちらは横サイズの動画やスクエアサイズの動画を縦型利用する際に用いる手法です。すでにある動画を再利用することができるため、本編に誘うための切り抜き動画として利用されるケースが多いです。

真ん中部分は本来の視聴サイズに比べて1/3ほどのサイズになるため文字が小さく見づらい場合があります。上下段のテキストだけではなく必要に応じてテキストで情報を補完してあげるとよいでしょう。

重要!縦型動画を撮影、編集する直前までに準備しておく4つのこと

動画の窓口では、縦型動画を運用する際に以下の5つのポイントを踏まえてチャンネル設計をすべきと定義しています。

・世界観

・のびるネタの開発

・見てもらいたい視聴者に向けたコンテンツ作り

・シリーズ可能性

・コラボ可能性

5つのポイントについての詳しい内容は以下の記事をご参照ください。

そして、上記のコンセプトを設計した後はいよいよ制作に移ります。その際には以下の4つを準備して撮影、編集に取りかかりましょう。

  1. SNS媒体と「マージン範囲(被り範囲)」の確認
  2. シナリオ(脚本、字コンテ、絵コンテ)
  3. SNS上での編集範囲
  4. 音声の有無

1.SNS媒体と「被り範囲」の確認

縦型動画を投稿すると、イイネやコメントのアイコンに文字が被ってしまってうまく見れない場合があります。

媒体によって削られるサイズが違うため、削られてしまう範囲を確認しましょう。

  • YouTube

  • TikTok

  • Instagramリール

  • FaceBookリール

基本的には、ほぼすべてのSNSで同様の配置になりましたが、TikTokのみ「被り範囲」が大きくなっています。また、いずれのSNSでも上部に検索窓があるため、検索窓を開くと上部が被ることが言えます。

重要ポイント

『46ルール(ヨンロクルール)』とは?スマホ視聴の場合、すべてのSNSで両端約46ピクセル(=合計92ピクセル)ほどが削られることがわかりました(2023年8月現在)。これは全体における約8.5%を占める比率になりますので、編集の際は左右端ギリギリまで文字を入れずに編集することを心がけましょう。これは定説であった縦型動画=9:16アスペクト比という考え方を覆すルールですので非常に重要です。

※注意:2022年10月時点の初期設定でのiPhone11Proによる視聴環境を参考にしています。SNSの仕様は日々変化していますので、投稿前にご自身で確認することをオススメします。

とはいえ、すべての媒体で同じ動画を流したい場合にはどうしたらよいのでしょうか?

結論としては、上下左右周囲15%ほど(下はさらに15%程度)を空けて文字やイラストなどのデザインを配置しましょう。撮影時にもこの余白を意識して撮影できると完璧です。

2.シナリオ(脚本、字コンテ、絵コンテ)

■脚本/字コンテ

脚本・字コンテは文字情報で流れやシナリオがわかる原稿のことです。ただし、SNSショート動画は撮影時のノリや勢いも大事なため、構成が頭の中で出来ているのであれば必ずしもきちっとした脚本・字コンテを作る必要はありません。

社内やメンバー間で合意形成をはかるために必要な場合や、事前にカメラマンと連携をとる必要があるなどの場合には脚本・字コンテを用意しましょう。

自社で内製している場合などは、脚本・字コンテがなくてもノリで撮影するのも新しい発見があって楽しいといえます。

しかし、その際にもiPhoneのメモやテキストに流れを書き出してから撮影にのぞみましょう。何もないよりは出演者に対して親切です。

■絵コンテ

フリー素材のイラストや写真、手書きなどでカットのイメージを紙芝居のように作る手法です。以下の図はあくまで参考ですが、必要な情報やセリフを記入して関係者と連携が取れることがメリットになります。

動画の窓口作成の「笑ってはいけない動画クリエイターあるある」絵コンテ

<ポイント>商品の紹介のように特徴を漏れなく紹介したい場合は、絵コンテがあったほうが撮り漏れがなく、イメージ通りの映像を撮影・編集することができます。

ポイント1:SNSによっては時間制限があるため、重要なコンテンツを作る場合には、絵コンテ段階で必ず声に出して読み、全体の時間を測りましょう!

ポイント2:字コンテ、絵コンテなどがあるほうが、撮影時に時間通りに高クオリティな収録をすることができます。

3.SNS上での編集範囲を事前に決めておく

縦型動画は現在はYouTube、TikTok、Instagramリール、FaceBookリール、ともにテロップやBGM、エフェクト、音声を入れることができて非常に便利です。

細かい機能はアプリごとに異なりますが、ちょっとした動画ならアプリの編集機能でも作成することができます。

企画段階では、以下のどちらで編集をする想定なのかを決めておくとよいでしょう。

・専用の編集ソフト

・SNSアプリ上

4.音声の有無

SNS動画において音は非常に重要な要素です。TikTokなどでは80%以上の視聴者が有音視聴者であるとされています。(TikTok公式調べ

動画の中で使う音声をどう収録するかは企画段階で決めておくことが重要です。

音声収録には大きく分けて3つのパターンがあります。

■制作パターン1:撮影時に出演者が喋った声をそのまま使う方法

メリット:編集がラク。自然な感じがあり飽きずに視聴しやすい。
デメリット:出演者の演技力を必要とする。編集時に修正が効きづらい。ゆえに事前の打ち合わせをしっかりとする必要がある。

■制作パターン2:編集時に後からナレーション(アテレコ)を入れる方法

メリット:撮影後にも柔軟に編集が出来る。声だけプロのナレーターに依頼するなども可能。
デメリット:ナレーションの声と動画のタイミングを一致させるのがむずかしい。

■制作パターン3:そもそも音声を入れない方法

ノンバーバル(非言語表現)という手法です。
SNSショート動画には音声が無い動画も多数存在します。料理、スポーツなどコンテンツ自体がおもしろいものは無理に音声を入れる必要もありません。
また、海外向けにコンテンツを配信したい場合にもこの方法が有効とされています。

【音声は結局どうしたら良いのか?】

出だしと終わりだけナレーションを入れて、中盤は出演者の声を使うケースが多いですが、やり方はそれぞれなので、公開されているさまざまな動画を研究しながら実践してみましょう。

縦型動画の上手な作り方(撮影編)

ここからは縦型動画の上手な撮影方法をご紹介します。

1無駄な「間」は省いて撮影する

再生数が多いSNS動画の特徴はセリフとセリフの「間」がほとんどないことや(ジェットカット)、無駄だと思う瞬間は省かれているということです。撮影時に無駄な「間」のない撮影ができれば編集に手間がかかりません。演技をする人との連携も重要になりますので、事前に動きを確認しておきましょう。

2できるだけ1カットで長く収録する

こちらも編集を楽にするテクニックです。細切れで撮影するよりも1カットで長く撮影できるとよいでしょう。

3少し広く(引き気味で)撮影しておく

上述した通り、SNSの縦型ショート動画では余白を設けておく必要があります。画面ギリギリで撮影してしまうと以下のように被写体の重要な部分が切れてしまうケースもあります。少し余白を持って撮影しておくとよいでしょう。

画面ギリギリだと隠れてしまう

余白を持って撮影すると重要な部分が映る

4レンズ倍率を意識して撮影する

画面いっぱいに撮影してしまうと投稿時にSNSの被り範囲に入ってしまう可能性があるため、余裕を持ったサイズで撮影をしましょう。

5手ぶれを少なく撮影する

手ぶれがあると動画が見づらいものになってしまいます。わざと素人っぽさを出すという場合以外は、手ぶれを抑えて撮影しましょう。三脚やジンバルを使うのも有効です。

6明るい環境で撮影する

明るい動画のほうが視聴率がとれやすいため、特別な世界観が無い場合は明るい環境で撮影しましょう。照明機材を使うのも有効です。特に人物や商品など重要な部分は明るくしましょう。

こちらの動画でも縦型動画の上手な作り方を解説しています。

縦型動画の上手な作り方(編集編)

編集では以下のことに注意しましょう。

①出だし

②中盤

③終わり方

④CTA(Call to action)

⑤デザインのバランス

①出だし

SNSショート動画の8割はこの出だしで決まると言っても過言ではありません。開始2秒間〜4秒間でどれだけ「見たい」とおもわれるかが重要です。

例えば、

・ビッグネーム、流行ワードを盛り込む

・美味そう、かわいい、などの生理的欲求を刺激する

・「誰も知らない」「やってはいけない」「本当は○○な」など知らないと損だと思うワードを入れる。

・クイズ形式にする

などさまざま手法があります。

 

詳しくは( 企業担当者向け!SNSショート動画の実践的な作り方・活用の仕方!まるっと解説します!)で解説していますので参考にしてください。

以下は動画の窓口でプロデュースしているショート動画の冒頭例です。

視聴開始4秒前後までで視聴維持率は急激に落ち込み、そこからは横ばいとなる傾向が見られます。

②中盤

動画の中盤は「視聴時間(視聴維持率)を伸ばす」ための重要なタームです。視聴維持率が高いほど、おすすめに表示されやすく動画がバズりやすくなります。

以下のことに注意して編集しましょう。

・無駄な「間」やシーンを入れない

・意味のない会話やテロップを省く

・タイトルと一貫した映像にする

・解答は最後にする

中を開くとフルーツが入っている大福「凛々堂」さんの動画では、切り分けられるまで何が出るかわからず、ついつい見続けてしまう仕掛けになっています。これも視聴時間(視聴維持率)を長くする方法といえます。

③終わり方

終わり方のポイントはとにかく潔く終わることです。

視聴者が動画を完全に見終える「フル視聴率」が高い動画ほどおすすめに表示されやすくなります。

場合によっては、オチや結論が無く終わってしまう場合もあるくらいです。

以下に解説するCTAとのバランスを図って設計しましょう。

④CTA(Call to action)

CTAは特定のアクションを促す案内のことです。

・フォローを促す

・コメントを促す

などが一般的ですが、CTAが入った途端に視聴維持率は激変し、フル視聴率が下がります。

CTAを入れることで終盤の視聴率が激減します。

重要ポイント


CTAは映像の途中に一瞬入れるテクニックや、終わり際に早口で1秒以内に入れるテクニック、答えを教えずにコメント欄に誘導するテクニックなどさまざまです。

⑤デザインのバランス

縦型動画はスマホ画面いっぱいに情報を映せる事がメリットでもありデメリットにもなります。

人間の目は上下に素早く動かす事が苦手です。

・メインの被写体

・テロップ

は以下のような黄色の枠内に納めながら編集することを心がけてみましょう。

また、テロップが上下左右バラバラに散ると目で追う事ができません。映像の流れや被写体とのバランスを見ながらテロップは配置しましょう。

重要ポイント


編集後には必ず「無音」で視聴をしてみてください。無音でもすべての情報をスムーズにキャッチすることができれば流れにそった綺麗なデザインが組めていると言えます。

まとめ

いくら動画の中身がおもしろくても、基本的な撮り方/編集ができていないと見てもらえるものも見てもらえません。今回ご紹介した縦型動画の撮り方/編集の仕方をもとに、見てもらえる動画作りを心がけましょう。縦型動画をうまく活用してSNSマーケティングを成功させてください。

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さいごに

動画の窓口では、お客様からのご相談に丁寧にお答えしています。 ぜひ、お気軽にご相談ください。

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