2020年(1~12月期決算)におけるアニメ制作業界の市場規模(事業者売上高ベース)は、過去最高を更新した2019年(2557億円)を1.8%下回る2510億8100万円となった。
制作1社当たりにおける平均売上高は8億3100万円だった。2017年以降、19年まで3年連続で拡大していたが、ここに来て前年から減少に転じ、増加傾向はストップした。
アニメ制作市場は2011年以降、制作本数の増加や配信料などライセンス収入の増加に支えられ、19年まで9年連続で拡大していたが、20年は一転して縮小に転じた。
<株式会社帝国データバンク>
【動画の窓口POINT!】
Point① 重要な3つのサマリー
1 2020年(1~12月期決算)におけるアニメ制作業界の市場規模(事業者売上高ベース)は、過去最高を更新した2019年(2557億円)を1.8%下回る2510億8100万円となった。制作1社当たりにおける平均売上高は8億3100万円だった。2017年以降、19年まで3年連続で拡大していたが、ここに来て前年から減少に転じ、増加傾向はストップした
2 「元請・グロス請」では、16億9500万円で、前年(16億7500万円)を約2000万円上回った。4年連続での増加となったものの、増加幅は過去4年で最も小さい。「増収」は31.6%、「減収」は48.2%で、減収割合は昨年(26.3%)から大幅に増加、過去2番目の高水準だった。損益面では「赤字」割合は2017年(32.2%)に次ぐ4番目の高水準
3 下請としてアニメ制作に携わる「専門スタジオ」では、2020年の平均売上高は3億800万円となり、前年(3億1400万円)から約600万円減少した。「増収」は31.7%、「減収」は48.9%となり、減収割合は昨年(24.9%)から大幅に増加、過去10年で最高となった。損益面では7割超の専門スタジオがマイナスの影響を受け、「赤字」の割合は過去最高。
Point② 日本のアニメ市場は具体的にどうなっていくのか?
今アニメの制作業界では、予算は変わらずに高い制作クオリティにすることが急速に求められている。
(1)制作のほとんどが中国、東南アジアを中心とした海外に流れる。
(2)優秀な人員が中国企業に引き抜かれ、ノウハウと技術が日本に残らなくなる。
(3)人気アニメのほとんどが中国企業の制作物になる!?
→制作に資金が回らないクリエイティブ業界に未来は無い!
Point③ 日本がアニメ市場で生き残っていくためには?
下請けへの制作費を増やす
・下請け企業が談合する。
制作関係者が全員フリーランスになる等あらゆる手段を使う必要がある
・コンテンツ開発
・権利収入
ツール開発
Live2Dなどの3D技術や今後一般化されるモーションキャプチャなどの先端技術。