「炎上」、それはインターネット上に何かを発信する際に最も避けなければならないことと言っても過言ではありません。
もちろん動画という媒体で炎上を招いた例もたくさんあります。
なぜ、動画は炎上してしまうのか?
また、炎上させないようにするにはどのような動画づくりをしていけば良いのか解説します。
なぜ動画が炎上してしまうのか?
そもそも炎上とは、「インターネット上で批判的なコメントや誹謗中傷が集中する」ことです。
まるで火が燃え上がるように、批判の論調はあっという間に広範囲に広がります。
「悪事千里を走る」とは言いますが、自分自身が悪いことをしたという認識が無くても炎上する可能性があるのが怖いところです。
さて、そのような「炎上」はなぜ起こるのでしょうか。
いくつか要因を考えてみましょう。
バズることだけを目的に制作しているため
「バズる」、つまり、SNSで拡散されることを主目的にした動画はたくさんの注目を集めやすいですが、その分炎上のリスクを高めます。
動画に限らず、目立つことを目的とした行動はだいたい裏目に出てしまいがちです。
インターネット上ではとても早く情報が拡散されるため、悪目立ちは炎上に直結するのです。
過激な内容の動画となっているため
先程の内容とつながることですが、より多くの注目を集めようと思うと人は過激な方法に走りがちです。
たしかに、過激な内容の動画を制作すれば、一時的には信じられないほどの数の人に注目されるでしょう。
しかし、その中にはもちろん内容を好意的に思わない人もいます。
動画の内容が過激になればなるほど、批判的な意見も増えます。
時代や状況にそぐわない内容のため
コンプライアンスという言葉が一般的に使われるようになって久しいですが、時代や状況に合わない内容の動画は炎上するリスクをより多く背負っているといえるでしょう。
「昔はよかった」「海外ではいいのに」と言っても、炎上の前では歯が立たないどころか火に油を注ぐことになってしまいます。
アップロード前後のチェック不足
動画を投稿する際のチェック体制が甘いことも炎上の一要因となっています。
1人で企画、撮影、編集まで行っている場合、チェックも1人で行っていると思うので、第三者目線が無く、炎上してしまう可能性が高くなります。
アップロードする前に、そしてアップロードした後にも客観的に動画を見つめなおす機会がなければ、炎上要素に気づくことができないまま動画を世に送り出してしまうことになります。
動画が炎上することで生まれるデメリット
続いて、動画が炎上した際に生じるデメリットをいくつか挙げてみます。
「実際に何かが燃えるわけでもないし」と高をくくっていると、大変な目に遭うかもしれません。
ブランド価値が下がる
「ブランドを育てる」という言葉が示すように、ブランド価値を築き上げるのは非常に難しく、時間がかかります。
しかし、一度ブランドが炎上してしまうと、そうした努力が水の泡になってしまうほどブランド価値は低下してしまいます。
人間の認知は悪い方向に働きがちなので、「炎上騒ぎを起こしたあのブランド」というレッテルをずっと貼られ続けてしまうのです。
せっかくのPRも、商品やサービスの宣伝において逆効果になってしまいます。
企業の信頼が低下する
一度炎上を起こしてしまうと、その時点で顧客や取引先の信頼を一気に失ってしまいます。
良くない噂が立っているものには近寄りたくないと思うのが自然な心理ですが、そうして多くの人たちが去っていってしまうのです。
これにより、商品やサービスが売れなくなるという金銭的なデメリットも被ることにもなるでしょう。
誹謗中傷や嫌がらせを受ける可能性がある
炎上の正体が批判的なコメントや誹謗中傷であることを考えると、炎上してしまった時点でこうした批判が殺到するのは避けられないといえるでしょう。
ただの悪口とも言えるようなコメントが昼夜問わず押し寄せることになります。
また、その中には嫌がらせをする人すらいます。
通常業務や日常生活に支障をきたすどころか、関係した周囲の人にも多大な迷惑をかけてしまうことも珍しくありません。
炎上商法という手法もある
実はこうした炎上を逆手にとり、広告手段として使う「炎上商法」というものもあります。
実際炎上を通して関心を集めたケースはいくつもあるので、ある意味ひとつの商法として確立しているともいえます。
ただし、通常の商法と比較して多大な代償を伴うということは頭に入れておかなければなりません。
炎上商法とは
その名の通り、わざと炎上を招くことによってより多くの人の目に触れ、ファンを獲得しようとする手法のことです。
動画やSNSで過激な行動や発言を拡散してもらうことで炎上を意図的に生み出すことが多いです。
炎上は注目を集めやすい
たくさんの人の目を引くという目的だけに関していえば、炎上は非常に効果的です。
賛否両論を呼び、人々の話題に上がれば上がるほど、世間で広く認知されるようになります。
炎上商法の多くはこの効果を狙ったものだといえます。
基本的にはデメリットの方が多い
炎上商法で注目を集めたとしても、それに伴うデメリットはかなりのものです。
この商法をきっかけにファンを獲得することも稀にはありますが、炎上したコンテンツを良く思わない人の方が圧倒的に多いです。
つまり、本来敬遠されることがなかった層の人達にも、嫌われてしまう可能性があるということです。
そもそも炎上商法で集まった人たちは、そのコンテンツや制作者を良く思っていない場合がほとんど。
炎上商法のような手っ取り早い方法ではなく、真っ当なコンテンツを制作してコツコツとファンを集めていく方法を強くおすすめします。
動画で炎上しないためにおさえておきたいポイント
ここまで主に炎上の弊害に焦点をおいたご説明をしてきましたが、特に動画で炎上しないために必要なことはどんなことなのでしょうか。
これから動画を作ろうとしている方も、もう既に動画を作った方も、炎上のリスクを最小限にするため、以下で示すポイントに注意してみてください。
伝えたいことを主眼に置いた動画作りをする
バズらせることそのものを目的にすると、その動画は炎上しやすくなってしまうという話を冒頭でしました。
それを裏返すと「伝えたいことを語弊無く伝えることに主眼を置いて」動画を作れば炎上リスクを抑えることができるといえます。
この「語弊無く」という部分が最も重要です。
さまざまな考えを持った人がいることを常に意識する
同じものを見ても、人によって抱く感想や思いが異なることがあります。
そうした違いが摩擦になってしまうケースもあるので、特にセンシティブな話題では発信する内容に気をつけましょう。
また自分が思っているよりも、さまざまな立場の多様な考えを持った人に動画が視聴されるということを意識して動画を作ることも非常に大切です。
過去の炎上事例から要因を分析する
炎上すると、たいていインターネット上に痕跡が残ります。
これは炎上した身からするとたまったものではありませんが、こうした炎上例を参考にすることで、どういう動画が炎上を招くのが分かるようになります。
炎上を招く要因を分析し、できるだけ可能性を潰すようにしておくと炎上しにくくなると言えます。
社内外のチェック体制を整える
可能であれば動画の制作前と制作中、制作後に客観的なフィードバックを得られるような場を設けましょう。
社内外の複数の目があることが理想です。
小さな違和感も十分炎上の火種になりえます。
見落としがちなポイントをチェックする機会を作ることで、炎上リスクを未然に低減することができます。
炎上を避けて観られ続ける動画を
どれだけ良い動画を作っても、どれだけ確認をしても、炎上のリスクはゼロにはなりません。
ただ、取り組みと心がけ次第で炎上の可能性を限りなくゼロに近づけることはできます。
炎上に頼らず、ずっと愛され続ける動画を作るという思いをもち、より良い動画を作っていきましょう。
「動画の窓口」では動画に関するご相談を受け付けています。お悩みがございましたらお気軽にお声がけください!