あなたは近年動画業界全体で話題になっている「ライブコマース」というものをご存知ですか?
聞いたことはあるけれど、実際の中身までは知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、この記事を読んでもらうことでライブコマースに関する知識を得ていただこうと思っています。
目次
コロナ禍で広がるライブコマースの活用
新型コロナウイルスの影響でさまざまな業界は大きな影響を受けました。
特に外出自粛や移動の制限によって、小売店は苦戦を余儀なくされます。
このような状況下で一気に拡大したのが「ライブコマース」の利用です。
動画を使った販促方法であるライブコマース。
どんなものなのでしょうか。
そもそもライブコマースとは?
この記事ではライブコマースに関する概要を、わかりやすくご紹介できればと思います。
「動画の窓口」では今後もライブコマースに関する最新の情報を発信していきますので要チェックです。
それではライブコマースとはなにか、かんたんにご説明します!
双方向型の通信販売
ライブコマースは新世代の動画活用手法として、注目を集めている双方向型の商品販売形態のことです。
「ライブコマース」という単語はライブ配信と E コマースを掛け合わせた言葉で、その名の通りライブ配信動画を使って商品を売る手法のことを指します。
リアルタイムの放送で発信を行い購買につなげる方法自体は、テレビ通販として長く行われてきました。
ライブコマースはWeb上でそうした販促活動を行うことになるので、Web 版通販とでもいうのが正しい表現となるでしょうか。
近年、中国を中心にライブコマース市場が拡大しており、市場規模はなんと14兆円にものぼると言われています。
動画全体のマーケット比で約半分の市場規模だということを加味すると、かなりの経済影響力を持つことがわかります。
韓国でも2019年時点で2,700億円規模だった市場が、近い将来9,000億円規模にまで膨らむと予想されています。
ただ、現行の E コマースとライブコマースをきちんと分ける判断は難しく、またこれらの経済動向のレポートが必ずしも正確だとは限りません。
このように実際の市場規模は測りきれていない部分はありますが、動画市場で無視できない存在となっているのは確かだといえます。
なぜライブコマースが人気なのか
ライブコマースを導入することで制作側、消費者側双方がメリットを享受することができます。
それぞれが得られるメリットをもとに、なぜライブコマースが人気を博しているのか紐解いてみましょう。
制作側からみたメリット
まずはサービスや商品を提供する側から見たライブコマース利用の利点をご紹介していきます。
今後活用を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
効果的に購買行動を促すことができる
商品を販売する立場から見ると、これに尽きます。
ライブ配信を行い、視聴者の反応を見ながら購買意欲に訴えかけることができれば、効果的に商品の購入に誘導することができます。
テレビショッピングとは異なり双方向のコミュニケーションを取ることができるので、そのような販促方法が実現できるのです。
また、時間やキャンペーン内容を制限することで、「その時にしか買えない」というプレミアをつけることができます。この点はテレビショッピングをイメージすると分かりやすいかもしれません。
データ収集が容易に行える
どのような人が放送を視聴してくれて、どのくらいの人が商品を購入してくれたかを定量的なデータとして見ることができます。
このようなデータは今後の方針を決定する際にも非常に重要です。
新たな顧客を取り込むことができる
通常のサイトを通したネットショッピングでは購買層はある程度限られますが、インフルエンサーのライブコマースにはその人のファンが訪れることも多々あるため、新規顧客の獲得ができるのです。
たまたま配信を流し見している間に欲しくなるということも十分考えられるので、新たな客層を取り込むのに適した方法だといえます。
視聴者・消費者側からみたメリット
続いて、視聴者視点でのメリットです。
この場合、視聴者にとっての「良い」が制作側の「良い」に直結することも十分考えられるので、そういった意味では双方へのメリットともいえるでしょう。
商品の安全性や信頼性が担保される
中国でライブコマースが人気である理由の一つには、専門家が商品の紹介を直接することで商品の安全性や信頼性が担保されるから、というものがあります。
特に中国では商品の品質についてよく議論になります。
その点において専門家が発信するライブコマースは安心できるものとして飛躍的に人気を集めたのです。
特定の分野の専門家であるキーオピニオンリーダーや、 キーオピニオンコンシューマーと呼ばれる多大な影響力を持った消費者の存在が重要視されるのは、こうした背景からだと考えられます。
疑問をその場で解消することができる
ライブコマースは双方向型のライブ配信の形をとっているので、視聴中に疑問に思ったことはコメント機能を通して質問することができます。
制作側もどのような疑問が生じているか把握でき、また不安を解消することができるのでWin-Winといえるでしょう。
これはテレビショッピングにはなかった良さです。
場所を選ばずに視聴ができる
インターネットさえつながればどこにいても配信を視聴できるので、外出先でもかんたんに買い物体験をすることができます。
テレビショッピングは家にいながらでないと視聴できないことを考えると、場所の制約がないことがテレビショッピングとの大きな違いといえるでしょう。
実際の日本におけるライブコマースの事例
これまで、日本国内でもライブコマースを試みた例はいくつもありましたが、良い結果を残せたものもあればそうでないものもありました。
日本での成功事例
妊娠や出産、育児に関する情報発信を行う「ベビカム」は、忙しいママの情報提供や質疑応答の場、 コミュニティとしての機能を重視した上でライブコマースを展開するというやり方で成功を収めました。
ライブコマースの活用やツールの利用にまだ全く答えはありませんが、重要なポイントはテレビ通販とは明確に区別し、目的に合わせてコンテンツを柔軟に作っていくことです。
アパレルブランドでは積極的にライブコマースが活用されていますし、インタラクティブ動画のTIG社もライブコマースなどを展開していますが、どれも独自の特徴をしっかりと盛り込んだ運営をしています。
日本でのライブコマース事例をまとめた記事を下記に紹介するので、ぜひそちらもご一読ください。
日本での失敗事例
一方で、メルカリが挑戦したライブコマースは上手く成果をあげることができませんでした。
今や商品のレビューやYouTubeの動画で、商品に関する生の声を手軽に見ることができるためだと考えられます。
そのため、日本においてライブコマースで成功するためには、綿密な戦略を立てる必要があるといえます。
そして、専門家のコメントを聞くことができるという大きなメリットを押し出していかなければなりません。
ライブコマースのこれから
日本におけるライブコマース市場はまだまだ未開拓といえます。
すべての分野のサービスに可能性があり、市場も今後拡大していくと考えられます。
また企業だけではなく、個人がキーオピニオンコンシューマーとして人気を集めているので、「◯◯といえばこの人!」というように特定の専門家としてブランディングをすることができるようになります。
そのため、個人でもライブコマースでの売り手として市場価値が上がるような人物が現れると予想されます。
急成長の「ライブコマース」でさまざまな販売方法のいいとこ取りを!
ウェブ動画の場合、ユーザーは自分からクリックして視聴をします。
そのため、そもそもコンテンツとして魅力的なものを作らなければならないのです。
それはライブコマースにおいても同じです。
テレビ通販の場合はインフォマーシャルと言われる商品販売のテンプレートが世界中で当たり前となっています。
しかし、それは限られた時間や視聴者に対し、有効的に情報配信をする手法に過ぎません。
ライブコマースにおいてはテレビの真似事ではなく本質的に視聴者のニーズを満たす配信をしましょう。
今後は大手のツールも、 Instagram や YouTube のように積極的にライブコマースに参画してくると考えられます。
商品を購入する際に動画レビューを見るだけではなく、ライブ動画を見て購買活動をするのも近い将来当たり前になるかもしれません。
動画の窓口でも現在ライブコマース事業を進めており、積極的に活用方法や可能性を開拓しております。
今後もライブコマースに関する最新情報をどんどんお届けしていく予定です!
監修:[動画の窓口 動画コンシェルジュ 池上和]