コロナ禍において、多くの企業がオンラインでの配信を通じて採用活動や商品紹介を行うようになりました。また、それらに加えて社内外のイベントにもオンラインの配信は使用されています。
そのような中で「どのように視聴者を楽しませるか」に挑戦をする企業も増えてきており、ライブ配信にも様々な手法が活用されるようになりました。
今回はライブ配信の中でも特に普及を見せている「グリーンバックを使用した動画撮影」について詳しく解説をしていきます。グリーンバックを使用した撮影はイメージするほど難しくありませんので、本記事を参考にぜひチャレンジしてみてください。
目次
グリーンバックとはどのようなもの?
グリーンバックとはその名の通り「緑一色の背景」のことです。グリーンバックを使用することで後々背景を透過することが容易になり、背景の合成を行いやすくなります。
透過した部分に背景を合成することを「クロマキー合成」といい、ライブ配信や動画撮影ではこの技術が利用される頻度が多くなっていることを覚えておきましょう。
また、グリーンバックのほかにはブルーバックが利用されるシーンも見られます。
背景を透過するだけならばどちらを利用しても問題ありませんので、用意しやすいほうを利用するのが良いでしょう。
グリーンバックの撮影方法
グリーンバックを使用して撮影をする場合の手順について解説をします。
まず初めに、グリーンバックもしくはブルーバックを準備し、背景とします。撮影規模に合わせたサイズを用意してください。
次に影が出ないように照明を当てます。背景に影が映ってしまうとうまく透過できませんので、この点は注意しましょう。影ができてしまう場合には、真上や真横から照明を当てたり、対象からカメラを少し距離をとってみることで対策できることが大半です。
撮影時には可能な限り高画質で撮影するようにしましょう。画質が良ければ、合成時の違和感が少なくなります。
グリーンバックを使用した撮影は、編集時の手間をどれだけ減らせるかが重要です。これらの点を意識した撮影を行ってみてください。
グリーンバックが活用されている4つの場面
グリーンバックによる撮影が活用されているのは、主に以下の4つの場面です。
- 対談・インタビューの場面
- オンラインセミナーの場面
- エンターテインメントの場面
- CM制作の場面
それぞれどのように活用されているのかを詳しくみていきましょう。
対談・インタビューの場面
1つ目の活用方法は、対談・インタビューの場面です。
コロナの影響でソーシャルディスタンスをとらなければならない昨今では、オンラインでの対談・インタビューの場が非常に増えてきました。
このような場面でグリーンバックを活用すれば、「遠くにいながらも近くで話している」ように合成ができます。
また、背景にオフィスや海などのロケーションをイメージに合わせて合成できるため、動画全体の見栄えも良くなるでしょう。
オンラインセミナーの場面
2つ目はオンラインセミナーの場面での活用です。
オンラインセミナーの場合、パワーポイントで作成した資料やスライドを画面に映すことがあるでしょう。その画面に違和感なく進行役を入れ込むことも、グリーンバックを使えば容易に行えます。
ただしこのような場合には、Zoomのバーチャル背景を使用して簡単に行うことも可能です。規模感や参加人数などでどちらを使用するか決めるのが良いでしょう。
エンターテインメントの場面
3つ目の活用方法は、エンターテインメントの場面です。
周年記念パーティーや懇親会など、社内イベントを行う際にはエンターテインメント性の高い動画を制作することもあるでしょう。
そのような場合には、画面を切り替えて他拠点のオフィスに飛ぶことや、3D背景を利用してイベント会場にいるような演出をすることも可能です。
映像や演出にこだわりたい場合にも、グリーンバックを活用した撮影は有効であるといえるでしょう。
CM制作の場面
4つ目はCM制作の場面での活用です。
CCを制作する際には、ロケで場所や時間を確保することが一般的。内ロケならまだしも、外ロケの場合には天候に左右されることもあるでしょう。
グリーンバックを使用する場合には、天候の心配が必要ないほか、遠方からでも撮影をすることが可能です。そのため、場所を気にせず撮影可能になるのが最大のメリットといえます。
グリーンバックのメリットとデメリット
グリーンバックを活用する場合には、当然メリットとデメリットが存在します。
それぞれをしっかりと理解しておくことで、よりグリーンバックを有効活用できるようになりますので、この点は確認しておきましょう。
メリット
グリーンバックを活用するメリットは「映像を際立たせられること」と「ブランドイメージを助長できること」です。
動画制作を行う際には、映像に含まれるイメージが非常に大切です。そのため、上記2点はグリーンバックならではのメリットとしてあげられるでしょう。
また、ワイプを使用する場合には「圧迫感をなくすこと」もメリットとしてあげられますので、うまく活用してみてください。
デメリット
グリーンバックを使用する際のデメリットは「グリーンバックを用意しなければならないこと」と「編集が必要になること」の2つです。
一般的な撮影の場合には、その場の背景を生かすことが多く、背景を編集する必要もありません。「背景の自由が利く代わりに手間のかかる撮影手法」であるといえるでしょう。
おすすめのグリーンバック撮影手法
おすすめのグリーンバックの撮影手法は以下の3つです。
それぞれどのような場面に有効なのかを理解して、うまく使い分けられるようにしていきましょう。
自立型グリーンバック
自立型グリーンバックは、ここで紹介している3つの中で一番簡単に用意できるグリーンバックです。設置がとにかく簡単でしわもできず、すぐに撮影に取り掛かることができますよ。
初めてグリーンバックを使用する場合や1人での撮影時には、自立型グリーンバックを使用するのがおすすめです。
組み立て型グリーンバック
組み立て型グリーンバックは、持ち運びに便利なグリーンバックです。屋内の撮影はもちろん、屋外の撮影時にも活用をすることができるでしょう。
横に広く撮ることもできるため、複数人で撮影する場合にも効果的。
「組み立てが多少面倒なこと」と「しわの調整が必要なこと」を除けば、非常に使い勝手のいいグリーンバックといえます。
スタジオ利用
スタジオを利用する方法は、グリーンバックを利用するうえでポピュラーな手法であるといえます。もともと用意されているスタジオを利用するため、設置の手間やしわの調整は必要ありません。
デメリットを挙げるとするならば、利用のたびに費用が掛かること。また、他の方法に比べて費用が高くつくことです。
ただし本格的な撮影をすることができるのは間違いありませんので、グリーンバックを利用する際はスタジオでの撮影も検討してみてください。
グリーンバックは今後どう活用される?
コロナ禍で取り入れられることの増えてきたグリーンバックですが、「利用目的を定めないことで、手間のかかる撮影手法」であるのが実際のところです。
とはいえ、動画広告の枠が広がりを見せているのも事実。今後はCMをはじめとする広告撮影の場面で、よりグリーンバックの活用場面が増えてくるのではないかと「動画の窓口」では考えています。
広告の枠を確保すれば、当然コンテンツの制作スピードも求められます。グリーンバックを使用して人物さえ撮影してしまえば、あとは背景を合成するだけですので、非常に効率よく広告制作を行うことができるようになるでしょう。
まとめ:グリーンバックを活用して撮影の幅を広げよう!
今回はグリーンバックの撮影について解説をしてきました。グリーンバックは企業の動画制作・広告制作の場面でも十分に活用することが可能です。
「動画の窓口」では、本記事で解説をしてきたことをもとに、様々な企業へのグリーンバックの導入を推奨しています。ぜひ検討してみてください。
また、次回はグリーンバックの編集について解説をしていきます。実際の編集時の注意点や工夫についてまとめていますので、あわせてご覧ください。
監修:[動画の窓口 動画コンシェルジュ 池上和]