近年、ビジネスの場でも積極的に動画が活用されるようになりました。
これまで主流だったスライド資料も、動画に置き換わっています。
この記事では主に、企業における動画案件の依頼にはどのようなものがあるのかご紹介します。動画を使った企業施策にはどのようなものがあるか知りたいとお思いの方は、是非参考にしてみてください。
この記事の監修者
「動画の窓口®️」動画コンシェルジュ
池上 和
不動産営業マンから動画クリエイターに転身。現在は動画コンシェルジュ。 『動画の窓口®︎』プロデューサー。企業動画を年間約1,000本プロデュース&制作している。動画の窓口株式会社社長。合同会社イエロー代表。動画フリーランスコミュニティ「若羽-wakabane-」創業者。
目次
企業が積極的に取り入れている動画施策はどのようなものがある?
ビジネスシーンで用いられる動画は主に「社外向け」と「社内向け」の2つに分かれます。
依頼数としては、社内向けの動画と社外向けの動画はそれぞれ同じくらいの比率ですが、社外に向けた動画のほうが活用方法は多岐にわたっています。
ここでは、社内・社外に向けた動画施策にはどのようなものがあるかご説明します。
社内向けの動画施策
社内向けの動画には、次のようなものがあります。
- 業務のマニュアル
- 社長や先輩からのメッセージを伝える動画
- 教育や研修用の動画
- 社内イベントや社内での広報
社員に向けて広く何かを伝える際には、動画が有効であることがわかります。
また、新入社員が入社した際に業務のオペレーションを動画のみで説明することができれば、教育を行う際の人的コストも抑えられるでしょう。
こうしたことから、社内向けの動画の制作は業務効率化と平準化のために行われることが多いことが分かります。
社外向けの動画施策
社外向けの動画には、次のようなものがあります。
- 会社説明
- 商品説明
- セミナー動画
- イベントのライブ配信
- 株主総会での説明
- ユーザーに対するサポート動画
社外向けに作られる動画の想定視聴者は多様で、取引先や潜在顧客、株主など多岐にわたります。
そのため動画を作る際には、動画を利用するシーンや動画を見せる相手を十分想定し、それに合わせて動画の長さや内容を考えていくことをおすすめします。
特定の視聴者に刺さればよいという場合には、思い切った編集ができることもあるでしょう。
事前に動画の使用目的をしっかり固めておくと、動画を作りやすくなることが多いです。
今回の記事ではJstreamの「動画活用の有効性と今後の活用意向について」の記事から「2022年に企画・運営した動画活用施策の内容」の活用事例をもとに実際にある動画案件をご紹介します。
企業が依頼する動画案件にはどのようなものがある?
私たちは「動画の窓口」として、数多くの企業様の動画案件に携わってきました。
その経験を踏まえ、企業として依頼する動画案件の種類をいくつかご紹介します。
動画の活用法にお悩みの方には、ヒントになる部分があるかもしれません。
採用
動画活用施策の社外に向けたなかでは、会社説明への利用が31%と一番多い結果でした。動画を使用することで採用の際に会社の説明の手間を省けます。
新たな人材を採用する際には、企業の魅力や働き方を対外的にPRする必要があります。特に会社説明会では、動画の活用が急速に進んでいます。現在では動画を利用しない企業は少なくなり、動画がないと採用競争において他社に遅れをとるでしょう。
スライドを使った口頭説明はプレゼンターの技量によるため、場合によっては意図がうまく伝わらないこともあります。しかし、あらかじめ作り込んだ動画を用意しておけば、伝える内容や説明のクオリティに差が生まれることはありません。
また動画を用意することで会社説明会に必要な人数も減らすことができ、人的コストを押さえられます。採用動画では、ブランディングも含めて説明とビジュアルのバランスをとった動画が作られることが多いです。
用途によって、動画のつくり方は異なります。会社の認知を広げるためにはSNS動画、説明会にエントリーしてもらうためには1-3分程度の動画、会社の詳細を伝えるためには5分〜10分程度の動画を用意すると効果的です。
会社紹介やニーズの聞き取り
社外向けの動画の活用方法では、26.3%の会社が自社の商品説明や実演販売に動画を活用していることがわかります。
オンラインとオフラインのハイブリッド型になりつつある営業の場面でも動画の有効活用が見込めます。
オフラインの商談の場でもタブレットやパソコンさえあれば手軽に情報を共有できますし、オンラインミーティングの際にもURLにて動画を共有し、快適に視聴してもらうことができます。
ここでは、資料の内容を盛り込んだ短い動画が採用されることが多いです。
ニーズの聞き取りに慣れていない新入社員も動画を活用することで商談を円滑に進められ、自社の社員・クライアント双方の時間効率が最適になります。
またインタラクティブ動画などお客さまのニーズを引き出すための動画ツールもあります。
インタラクティブ動画の詳細はこちら
商品紹介
商品紹介においても26.3%の会社が動画を活用しています。商品紹介はオンライン・オフライン問わず商品の魅力を正確に伝えるのは、非常に難しいことです。
実際に商品やサービスに触れてもらうことが最大のプロモーションに繋がりますが、多くの場合、限られた時間の中で説明が必要なため叶いません。そこで動画を使った商品(サービス)紹介が有効です。
写真よりも立体的に、実物よりも手軽に商品の魅力をアピールするために、動画は最適の手段だといえます。商品紹介の動画は、特に展示会などで高い確率で活用されています。
動画を使用することで、商品の優れている部分や使い心地、ブランドイメージなどを幅広い層に届けられます。飽きられないよう伝えたいポイントを絞り短い動画に仕上げましょう。
購買ターゲットに自社商品をアピールするための広告・CMなど15秒〜30秒程度の短い動画から、短く簡潔な説明を入れた1分〜2分程度のもの、場合によっては、使用方法などを丁寧に解説する5分以上の長尺になることもあります。
消費者は「健康や仕事に関わる商材」「置き場所に悩む商材」「高額な商材」「キャリアや生活に関わる商材」の購入に慎重です。商品ページだけではなく、動画を用意することで、判断材料を増やし、購入の後押しができるでしょう。
広報
採用場面での動画の活用と似た部分がありますが、動画を使った広報はより手軽に、広く内容を発信できます。
広報の目的は情報を「知ってもらう」ことです。広報動画を作る際には見栄えよりも伝えることを重視したほうがよいでしょう。
最近はYouTubeShorts、TikTokなどの縦型動画を利用する企業が増えています。SNSの縦型動画では、商品の宣伝ではなく、視聴者を楽しませたり、驚かせたりできる動画が望ましいです。
動画の窓口が対応しているTikTokに防音の専門企業がありますが、直接的な商品紹介ではなく商品を活用した防音実験という発想力で視聴数を伸ばしています。
理念/ブランド浸透
社員内外に理念を浸透させたり、ブランドイメージを内外に訴求させたりするための動画です。
動画によって、企業の理念やビジョン、フィロソフィーなど会社が独自で持っている考え方や社風、文化を映像によって伝え、企業理解や関心を深めてもらうことができます。
また、これまでブランディングはテレビCMやWEBサイトなどの告知で活発に行われてきましたが、近年では急速に動画を利用してのブランディングの発信が進んでいます。
個人が所有する端末で手軽に視聴してもらうことで、企業に対するイメージアップをはかっています。
ブランディング動画について詳しく以下の記事で紹介していますので、そちらも併せてご覧ください。
研修
実は企業が一番動画を活用しているのは、社内向けの研修です。動画の窓口でも社内での各種研修に使う動画の制作依頼をいただくことがあります。新入社員研修や階層別の研修など、ほとんどの内容は動画で伝えられるでしょう。
企業にとって、いかに効率よく社員を育成するかは永遠の課題のひとつです。効率よく育成する最適な方法のひとつに動画が挙げられます。
そうした背景から多くの企業が、実地での研修に代わって動画を使ったeラーニングを採用することが多くなっています。
講義をそのまま録画したものから、資料やCGを多数盛り込んだものまで、予算と用途によって様々な研修動画が作られています。
需要が多いため、マニュアル作成や研修に特化した動画作成アプリやツールも開発されています。
たとえば、動画マニュアルの作成から習熟度管理までできる研修プラットフォームの「tebiki/テビキ」や、手順に特化したマニュアル作成、トレーニングコースの作成など動画研修の先駆けツールの「teachme biz / ティーチミービズ」があります。
アプリやツールを使用すれば、スマートフォン1つで作成が可能です。
研修動画は、内製の傾向がありますが、定期的に内容を変える必要が出てくるため、費用対効果を考えて制作を行いましょう。
経営者メッセージ
社内向けの動画活用で、教育やマニュアルの次に多く利用されているのは経営者メッセージです。
大企業や多店舗展開、全国展開しているなど社長と社員の距離が離れている企業において、期末や年末年始などの節目で社内に対して事業方針や年度計画、意気込みなどを伝えるための動画として活用されています。
自社で制作される企業もいますが、音声や画質などで見やすさや視聴者の集中力が左右されるため、上場企業の多くは制作を外注しています。
社内イベント
社内イベントでの動画の利用も26.4%とよく活用されています。表彰式や忘年会など、定期的に開催される社内イベントでは、動画が必要になる場面はたくさんあります。
社内イベントでは特にエンディング動画が有効に働きます。「また次回もお会いしましょう」や「これからもがんばりましょう」など力強いメッセージをいれることで、その先の未来を参加者と一緒に共感できるのがエンディング動画の強みです。
イベント当日の再生環境や進行の状況によって盛り上がりが変わるため、事前のリハーサルは欠かさないようにしましょう。
また、イベント後にもダイジェスト動画を制作することがあります。会場全体やメインイベントの映像、登壇者のハイライトとなる場面を10秒〜20秒にまとめることで、採用などでも活用ができる可能性があります。
そのほかイベントで利用できる動画の活用方法については、詳しく以下の記事で紹介していますので、そちらも併せてご覧ください。
動画を使って多彩な施策を!
最近では、ビジネスの場においてこれまでではまったく考えられなかったほど動画の活用が進んでいます。
社内外でのお悩みは動画を活用することで解決できるかもしれません。
「動画の窓口」では、たくさんの動画案件に携わってきたノウハウがあります。
動画に関するお悩みがございましたら、小さなことでも是非ご相談ください!